どうもどうも。アナログです。こんにちは。
本日も「New Age of Death Metal」と題して2010年代を振り返り「リバイバルムーブメント」を再考する。さらに、次の10年に向けて期待のバンドもピックアップしようというコーナーです。
「怖いな~怖いな~、いやだな~、怖いな~」
本日は出来れば触れたくないテーマ「ドゥームメタル」です。というのも、ご存知の通りドゥームメタルはBlack Sabbathを始祖として、エピック、ストーナー、スラッジ、フューネラル、ゴシック、そしてデスドゥーム、他諸々と細分化されていて、それぞれファンによる信仰具合も半端ない。「ドゥーム好きだよ」なんて気軽に言ったら全方向からフルボッコにされるわけで、ドゥームを制する者はアンダーグラウンドを制するとも言われてるくらいだからね。まぁ嘘なんですけど。
12.「ドゥームの片隅から」
2010年代OSDMリバイバルの高まりと共に台頭してきたのが、Spectral Voiceに代表されるRawな「ドゥームデス」です。
今日までのドゥームデスの流れを大雑把に振り返ると、Celtic FrostからAsphyx, Autopsy, Obituaryを始まりとして、現行の音楽性と近いルーツは90年代初期デスdiSEMBOWELMENT, WINTER, Cianideあたりでしょう。その後00年代はIncantation, Funebrarumの暗黒性、ムーブメントの先駆けCoffins、フューネラルドゥームの代表格Evokenの神秘性を経て、10年代初頭にHooded Menace, Anhedonist, Kryptsなどリバイバル世代が地を固め、中盤以降にTemple of Void, Spectral Voice, Fetid等で爆発 しろ した感じでしょうか。実際の背景はもっと複雑でしょうけど。
diSEMBOWELMENT, そしてフューネラルドゥームEvoken
ヨシ!イイ感じに盛り上がて来たけど、この流れの続きはもうやってしまったような気がする……内容的には『PART5』のRAWデスメタル特集と被ってしまう。無計画で更新しているのですみません。いつか全部修正しよう。
ということで、今回はドゥームはドゥームでも「誰も話題にしていないけど俺の心にはしっかりと響いたぜ!」をテーマに10年代ドゥームデスを振り返ります。願わくは20年代も活躍して欲しいバンド達です。
DWELL:
15年EP「Vermin And Ashes」★オススメ
17年EP「Desolation Psalms」★オススメ
デンマーク出身のブラッケンド・ゴシック・ドゥームデス。残念ながら解散してしまった。フューネラル一歩手前の絶望的な荒廃感、虚無感、願い。そして救済への一縷の音色。「尊い」とはこのDWELLにこそ相応しい。今も、そしてこれからも聴き続けるであろう一枚です。次の17年作のEP「Desolation Psalms」も素晴らしい出来でした。BANDCAMPに音源はありませんでしたが機会があれば是非聴いて欲しいです。
God Disease:
14年EP「Abyss Cathedral」★オススメ
16年EP「Rebirth of Horror」★オススメ
19年1st「Drifting Towards Inevitable Death」★オススメ
19年EP「Hymns For Human Extinction」★オススメ
僕のブログを読んでいる人にはお馴染みのバンド。もう何度も何度もしつこいくらい紹介してます。でもまだ知らないよと言う方のために改めて紹介しよう!フィンランドはヘルシンキ出身のゴシックドゥームデスGod Diseaseだ!14年のEP「Abyss Cathedral」を聴いて以来完璧に信者になってしまった。一時期メンバーも音楽性も安定せず、ダメかと思ったけど近年は良作を連発。上質なゴシックドゥームデスを聴かせてくれる。初期Peacevilleレコードのバンドが好きな方にオススメです。
Womb:17年「Devotion To The Sea」★オススメ
スペインのアトモスフェリック・ドゥームデス。これはいいものだ。ゴシックメタルに通じる退廃的で耽美な世界観が心地よい。上記のGod Diseaseを更にメロディアスにしたようなサウンド。まだ垢ぬけていない感じはするけれど洗練されていない分余計にメロディの良さが際立つ良盤です。
Obed Marsh:16年「Innsmouth」
陰気で荒廃した港町インスマウスでの恐怖体験。底へと沈み込む冷寒なメロディとデプレッシブな狂気が錯綜するクトゥルフ・ブラッケンドドゥーム。次作「Dunwich」では更なる狂気が待ち受けている。人間性の限界に興味がある方どうぞ。オススメはしないコポ。
Gravewards:17年EP「Subconscious Lobotomy」
ギリシャのデスメタル。血沸き肉躍るイントロだけでご飯3杯いけますね。どことなくBolt Throwerを彷彿させる音楽性にギリシャのエピック要素が加わった熱いサウンド。ただカッコイイけど曲展開が乏しく退屈になってくるかも。オススメはしないけど何故か強烈な印象を残しました。
Mortals:14年「Cursed to See the Future」★オススメ
アメリカ出身ブラッケンドスラッジ。この才能がうらやましい。一曲目で例えると、チューニングあるいはピッチを外しているかのような不協和音が気になって落ち着かない。だがこの不協和音は伏線であり、ナノマシーンが傷を自己修復していくように曲が進み、最高潮に達した時完全なる姿を現す。この独自の高揚感は何ものにも代え難い。芸術的といってもいい。ただ現在活動しているのか不明です。
Asphodelus:
14年EP「Towards the Gates」(Cemetery Fog)
16年EP「Dying Beauty & the Silent Sky」
17年デモ「The Veil Between the Worlds」★オススメ
19年1st「Stygian Dreams」★オススメ
最後は、これでもかというくらいに無駄に推し続けているフィンランドのゴシックドゥームAsphodelus。改名前のCemetery Fog時代から僕の心に刺さるものを持っていましたが客観的に見れば突っ込みどころ満載のバンドでした。17年のデモ「The Veil Between the Worlds」を聴いたときはどえらく成長していて涙出そうでした。20年代もAsphodelusを推していきます!
~Doom Bloody Doom~
折角なのでここからは、デスメタルから一旦離れてロックとかオカルト的なものをルーツとしたドゥームを振り返ろうと思います。
といっても、10年代はデスドゥームとは比較にならないほどドゥームバンドが登場して、デスメタルと並行して追うことはできませんでした。中途半端ですがそれでも10年代印象に残ったバンド、僕的にオススメなバンドを紹介したいと思います。
Devil's Blood:11年「The Thousandfold Epicentre」
オランダのハードロック。70年代回帰のバンドがメチャクチャ流行ったけど、このDevil's Bloodの哀愁感漂うサウンドは忘れることはないだろう。
Mansion:15年EP「Altar Sermon」
フィンランドのカルト教団ドゥーム。セラピーに飢えてる方、アルマ様までご連絡を。
Bathsheba:17年「SERVUS」
ベルギー出身。強烈な激重ドゥームでいながら妖艶。解散はもったいなすぎる。ちなみにボーカルはMichelle Noconさん。現在はOf Blood and Mercuryで活躍中。
Jess and the Ancient Ones:15年「Second Psychedelic Coming: The Aquarius Tapes」
Shocking Blue感漂うサイケデリックロック。70年代回帰のバンドの中では演奏レベルが非常に高くプログレ的ですがキャッチーでよいです。
GOLD:17年「Optimist」
日本ではまだ無名ですけど、世界ではポストバンク、ポストメタルとして徐々にその名は高まってきてます。
He Whose Ox is Gored:14年「Rumors 7"」
ジャンルはわからない。ポストメタル?ニュースクールなサイケロック?一糸乱れぬ弦楽リズム隊に浮遊感あるシンセ音が重なり合う実験的で先進的なサウンドスケープ。
BLACK LUNG:16年「See The Enemy」
世に対して怒りが黒く渦巻く激渋ダウナーブルース&ドゥーム(ノイズ付き)。ウォームな重さとリッケンバッカーによるソリッドな響きの組み合わせが最高。ボーカルも上手い。最近ソリッド担当のギターがやめてしまいました。新しいギターは正確無比のテクニカルマンで前任とは真逆の存在。新生BLACK LUNGが楽しみ。
Cambrian Explosion:16年「The Moon EP」
さあ、無限に爛々だ。いつまでも、どこまでも、永遠に聴けそうなプログレッシブ・サイケデリックロック。最高にカッコいいね。アメリカのバンドですけど、よく聴くと日本語で歌っているんですよ。
Spaceslug:19年「4 Way Split」
ポーランド出身のストーナーバンド。90年代シアトルの音景っぽさがあるダウナーサウンド。次から次へと精力的に音源をリリースし、しかもリリースする度に良くなっていく。でもリリースが多すぎて付いていけなくなってきた。フィジカル好きは大変です。
BANDCAMPの音源貼りすぎてブログが重いさ。ドゥームだけに……
以上、ドゥームの片隅からでした。