どうもどうも。アナログです。こんにちは。
本日も「New Age of Death Metal」と題して2010年代を振り返り「リバイバルムーブメント」を再考する。さらに、次の10年に向けて期待のバンドもピックアップしようというコーナーです。

早くも今回で6回目。終わりが見えないので前回からテクニカル、コスミック、ドゥーム、ブラッケンドなどカテゴリー別(サブジャンル)で一気に振り返る方向へチェンジしました。
しかし、前回分読み返したら1ミリもサブジャンル別になってなかったというね。今回こそサブジャンル別でしっかり振り分けながら書きたいなと思ってます!

 

8.「虚無」~VOID, VOID, VOID~

10年代は無限の宇宙なんだよ!とにかくVoidだ。VoidVoidVoidだ。
ということで、最近やたらVoidが多いなと。おかげで「Void」という単語を見ると条件反射でポチる体になってしまったさ。財布の中身がボイドだよ。

 
  

VOIDCEREMONY:
14年EP「Dystheism」
15年EP「Cyclical Descent of Causality」
18年EP「Foul Origins Of Humanity」★オススメ

まずはVOIDCEREMONY。2020年2月現在ほとんど話題になっていませんが、20年代OSDMとして必ず台頭してくるバンドです。絶対に。「絶対にだ!」と言い切るさ。正直EPの音質は最悪と言えるけどその劣悪な音質でふるい落とされたらイケナイ。肝心の内容はアヴァンギャルドでギリギリの線を攻めるプログレッシブデスです。要となるドラムにはFunebrarumのCharles Koryn氏。一度脱退してウソだろと思いましたが18年に復帰し一安心。更に今年は「20 Buck Spin」から1stアルバムが予定されてます。ヤバいアルバムになるで。要チェックです!

 
 
 

Void Terror:
17年デモ「Soul Harvest」
19年スプリット「Holocaust of Terrestrial Empires」

若手一押しの虚無。注目度の高さでいうと17年結成で17年作のデモがいきなり「Me Saco un Ojo」からカセットと7インチでリリースされるという位です。サウンドはIncantation系の激Rawなデスメタル。まだ突出したものはないけれど恐らくメンバーは20代だと思われるので今後大化けする可能性ありです。そういう雰囲気は感じる。

 
 
   

Void Eater:17年「I」18年「II」「III」19年「IIII」

「虚無を喰らう者」とかカッコよすぎる。ノルウェーのバンドで陰鬱でノイジーなブラックメタルに近いサウンド。かなり虚無感が出ていて、これはいいかもと思っていましたが既に解散している模様。ちなみにObliterationのRolf Kristian Valbo氏のプロジェクトでした。

 
 
   

Voidspawn:16年「Pyrrhic」★オススメ
COSMIC VOID RITUAL:17年「The Excreted Remains of the Sabatier System」
Void Rot:18年「Consumed by Oblivion」
Gutvoid:19年「Astral Bestiary」
 
 

全体的にIncantation, Kryptsあたりの音楽性かつ、マニア好みの臭いを醸し出しているのであまり多くの人にはオススメできませんが、今後面白くなりそうなバンドもいます。
あと一番肝心な虚無Temple of Voidは後程記述する予定です。
以上、虚無へのいざないでした。

 
 
 

9.「10~20年代アナログメタル注目の若手OSDM」

 
自分で言うのもアレですが、この10年代は若手OSDMをメチャクチャ聴いてまいりました。
デモカセットテープも沢山買いました。南米からは9割方届きませんでした…… まぁその話は置いといてですね、これからの時代、2020年代に世間を沸かすであろうバンドをピックアップしました!
まずは上記Voidコーナーで紹介したVOIDCEREMONY。今年(2020年)出る予定の1stアルバムは世界を震撼させるでしょう。それからあと5バンドを厳選してみました。

 
  

Cemetery Filth:
14年EP「Screams From The Catacombs」
16年スプリットEP「4 Doors to Death」
17年スプリットEP「Sewercide / Cemetery Filth」★オススメ

Sickness! これぞU.S.デスメタルと言わせてよ。AutopsyライクなOSDMでデビューした当時20代だった青年達もいまや30越え、ようやくです。ようやく1stアルバム「Dominion」が2020年4月に出ます!

Dan Seagraveジャケキター‼すみませんJuanjo Castellanoでした。もう自分ダメかも。

我慢できず公開された曲を聴いてしまったさ。めちゃくちゃ攻めてます。1曲だけど最高としか言いようがない。Cemetery Filth みんな忘れずに!

 
 
 
   

Garroted:
16年デモ「In the Court of Nyarlathotep」
18年EP「Of Damnation and Abyssal Terrors」
19年EP「The Mystic Valley Tapes」
20年スプリット「Transcending the Esoteric Plane」★オススメ

腐敗臭漂うというには少々ソリッド気味ですがテクニカル志向のOSDM好きならばピンと来るはず。EPを出すたびに曲もテクニックも洗練されてきてます。特に最近リリースしたCalcemiaとのスプリットEPの出来にはシビレました。新境地を開いた感があるので、ここらでアルバムがリリースされれば一発逆転だと思う。何が逆転なのかわからんけど、推しです!

 
 
 

Calcemia:
17年EP「The Unburning Flame」
20年スプリット「Transcending the Esoteric Plane」 ★オススメ

最近上記のGarrotedとスプリットEPをリリースしたテクニカルなOSDM。テクニカル志向は共通するがサウンドは全く違う。Garrotedは90年代的ですが、Calcemiaはブラック、フィンニッシュ、さらにリズムチェンジの激しさやクリーン気味のリフを散りばめ現代的なサウンド。若さ溢れるアヴァンギャルド感が面白いです。

 
 
 

Hemotoxin:
16年「Biological Enslavement」★オススメ
20年「Restructure the Molded Mind」←NEW アルバム!

もうメチャクチャ好き。後期DEATHやHorrendusの音楽性をさらにスラッシーに、さらにメロディックに、さらにブルータルにと聴きどころ満載。デススラッシュファンの方もメロデス好きにもアピールできるカッコよさ。とにかく曲がキャッチーで分かりやすい。今流行りのロウデスメタルとは真逆の存在であるけどキャッチー性は重要なポイントであり20年代にとって重要なファクターになりうると思う。もうすぐニューアルバムも出るので要チェックです。
 
 

 

XANTAM:
15年デモ「LifeDeathBeyond」
19年EP「Altered State」★オススメ

アナログメタルの19年度ベストEPに選んだバンドがこのXANTAM。ブラッケンドな醜悪なトレモロリフにブラスト主体のリズム。幻覚作用を引き起こすループ。その狂気の中に垣間見る繊細なメロディ。突然なドラマ性。あぁ最高じゃないか。ちなみにバンド名ザンタムはゲーム「バルダーズ・ゲート」のボスキャラだそうです。キャラの版権とか大丈夫なのであろうかとか余計な心配をしてしまう。

 

Tideless:
16年デモ「Sea of Tears」
17年EP「Eclipsed Blood Horizon」★オススメ

ついでにXANTAM繋がりで紹介。このTidelessはXANTAMのリーダーKyle Armendariz氏もう一つのバンド。サウンドは4AD系デスメタル!? 幻想的で浮遊感あるシューゲイザーなデスメタルでスゴク面白い。結構オススメなので、変わり種が好きな方聴いてみてください。

 
 
 
今回はVOIDCEREMONY、Cemetery Filth、Garroted、Calcemia、Hemotoxin、XANTAM + Tidelessと10年代インパクトがあり、且つ20年代活躍しそうな若手バンドをまとめてみました。みんなアメリカのバンドなんですよね。アメリカの層の厚さってスゴイね。

それではまた次回。