『Execration / Return to the Void』
8月デス!
アツい。熱すぎる。僕のマインドの話じゃなくてノルウェー・デス/スラッシュの話ね。
ということで、今回紹介のレコードは熱きノルウェーデススラッシュメタルシーンから注目の中堅バンド「Execration / Return to the Void」デス。キタコレ。
カバーアートはZbigniew Bielak このジャケ!
180g重量盤。Metal Blade直販は送料が高いのでいつもAmazonから購入しています。ので、何色が届くかわかりません。
世界を沸騰させるノルウェーデスメタルシーン
ノルウェーはオスロ出身のデスメタル。2017年 4thアルバム。Metal Blade Recordsよりリリース。
メンバーは以下の4人。
Cato Syversrud – Drums
Jørgen Maristuen – Guitars, Vocals
Chris Johansen – Guitars, Vocals
Jonas Helgemo – Bass
アナログメタルでは、ことある度にノルウェー・デス/スラッシュがアツいと言っています。特にObliteration、Reptilian、Sepulcherなど若手中堅バンドがアツい!とかまた同じような話になるので暇な時にでも以前紹介した狂気の若手スラッシャー『Sepulcher』の記事を読んでみてください。
その若手中堅の中で今一番注目されているのがこの”Execration”と言っても過言ではないでしょう。というのも前作「Morbid Dimensions」(2014)はノルウェーのグラミー賞と言われる音楽アワード『Spellemannprisen』にてベストメタルに選ばれました。メタルはまだしもデスメタルが受賞とかスゴイ国ですね。そして、その甲斐もあってか今作は大手Metal Blade Recordsよりリリース。Yes!
とりあえず、前作「Morbid Dimensions」を貼る。
ジャーマンスラッシュがコズミックデス化したというか、”Gorguts”がスラッシュ化したというか、今聴き直してみると少しだけ”Sentenced”の「North From Here」を想起したけど、やっぱり何と言ったらいいのかわからない摩訶不思議な音楽性。もうノルウェー・デス/スラッシュバンドを説明する時は「ノルウェー・デス/スラッシュ」でイイかなと思う。
何を言っているかわからなくなってきたのでそろそろ本題に行きましょう!
Sci-fi暗黒アヴァンギャルドメタル
いきなりですけど聴いた瞬間「あぁ……」となってしまった。
僕の気持ちを萎えさせた原因は今回のサウンドプロダクションです。コンプ感モリモリの均一的なメタリックサウンド。迫力はあるし音圧もあるけど違和感だらけ。そういう音を売りにしたバンドでしたっけ?例えるなら、MEGADETHの初期リマスター盤のようなコレじゃない感。MEGADETHもそうでしたけど、ノルウェーデススラッシュの凄みといったら狂気に駆られたギリギリの緊張感や暴走寸前のアンサンブルであり、その繊細な音を生み出しているのはヒリつくような生々しさにあると思うのです。何となく無理やりニュースクールなテクデス枠で売りに出されたように感じました。
サウンドプロダクションに不満を爆発させてしまいましたがアルバム自体はスゴく気に入っております。
また、音に関する不満もあくまで僕の抱く勝手なノルウェーデスメタル像なので、古い概念に捕らわれず世界的に売り出そうとすれば無機質な音作りの方がカッコいいかもしれない。特にテクデスファン層狙いならば自然なことかと思う。現に3~4回も聴けば馴れますし、更にポジティブに捉えるならタイトなメタリックサウンドになったことにより暗黒コズミックデスメタルとして方向性がクッキリした。何よりアヴァンギャルドなテクニカルデスを売りにする彼らの力量が明確になったとも言えます。僕はニュースクールなSci-fi暗黒アヴァンギャルドメタルとして受け入れました。
カナダ勢のアヴァンギャルドタイプとは別方向に進化するノルウェー・デス/スラッシュメタル。この先”Execration”を筆頭に世界を狂気へと導いてくれるでしょう! Great!!!