『Suffering Hour / In Passing Ascension』
Suffering Hour キタキター!
も、も、もちろん覚えてるさ…… 強いよね。序盤、中盤、終盤、隙がないと思うよ……
はい、今回紹介のレコードは「Suffering Hour / In Passing Ascension」デス。
これからのデススラッシュシーンを担う若手有望株。そのSuffering Hourの待望の1stアルバムが届きました!どうぞ。すごいぞ。
カバーアートはAlexander L. Brown
ポスター付シルバー盤。Bandcampでは売り切れですがBlood Harvest Recordsにはまだありました。
才気あふれる新人デススラッシャー登場!
アメリカはミネソタ州ミネアポリス出身のブラッケンドデスメタル。2017年 1stアルバム。Blood Harvest Recordsよりリリース。メンバーはまだ20代前半の3人。
Josh Raiken – Guitars
Dylan Haseltine – Bass, Vocals
Jason Oberuc – Drums, Vocals
2014年 EP「Foreseeing Exemptions To a Dismal Beyond」でデビューした若きデススラッシャー。
DEATH、Cynic、Atheistなどのオールドスクール・テクニカルデス、はたまた”Mekong Delta”~”Vektor”などなど変則スラッシュ観を独自にシャッフリングして再構築。その精鋭的な楽曲からは次世代の可能性をひしひしと感じさせてくれました。
その”Suffering Hour”のファーストアルバムがナント「Blood Harvest Records」からリリース。
たしか、僕の願望としてアルバムは「Unspeakable Axe Records」からリリースされたらいいなぁ… なんて言ってたかもしれないけど、現実はその願望を超えてきた。のか、超えていないかは微妙なところだけど、いきなり「Blood Harvest Records」からリリースには驚きを隠せない。
しがも。こごがらがぁ本題だけんども、このバンド大化けしよったで!!!
スラッシュ、デス、ブラック、境界線無き才能。目指す先に待ち受けるものは……
僕はデビューEPの音楽性から恐らくアルバムは “Vektor” のようにプログレスラッシュを推し進めるものと予想しておりましたが、その予想は大きく外れてしまった。まさか深淵へと続く暗黒道へ足を踏み入れるとは。
秩序と混沌、純真と不純、神秘と真理が交わる探究の道。
その道の陣頭に立つのは間違いなくブラックメタル”Deathspell Omega”やデスメタル”Gorguts”でしょう。特に”Deathspell Omega”が切り開いた道筋は現在のデスメタル・ブラックメタルにとって一つのトレンドになっています。技術面、作曲面からその道へ進という理由もあるが、今現在デスメタルとして先進性を追い求めると必然的にこの暗黒面へと進まざるを得ないのかもしれません。
それにしても、すごい化けた。バンドロゴの変更とビュジュアルイメージ面の変化で何となくブラックメタル化しているとは思っていたけど、いきなり”Deathspell Omega”路線だとは思わなかった。しかも、ただ道筋をなぞるだけの後追いではなく、己のデスメタル観を保ったまま探究していると感じます。具体的には不協和音が響くアヴァンギャルド性は増えたけど、基幹となるテクニカル・デス/スラッシュ面は崩さず整合性と変則性を両立している。また、コズミックデス要素も発展させ、この辺りは”Morbid Angel”を初め”Blood Incantation”や”Nucleus”を想起させます。それ、ヤバイでしょ。えぇ、ヤバイデス。ということを平気で成し遂げている。まだ1stアルバムだっていうのに。
Bandcampでは1ヶ月でレコードは売り切れ、フォロワー数からしても相当注目されている印象。
ここから”Suffering Hour”の快進撃が始まるぞという予感がしますね。楽しみデス。Grreeeaat!!!
ラストの渋いアトモスフィリックなメロディが更なる飛躍を感じさせる。