『Venenum / Trance Of Death』
どうもどうも、アナログです。こんにちは。ちょっと忙しくてね、でも音源も溜まってきたしそろそろ本気だして更新していこうかと思っています。
ということで、早速レコードの紹介。本日は「Venenum / Trance Of Death」デス!
Venenumだと?
カバーアートはTimo Ketola デスメタルカバー職人です。
手に取るとわかるのですが物凄く丁寧に作られています。これは物としても所有する価値ありですよ。
ジャーマン・エピックデスメタル 待望の1stアルバム
いつものようにデスメタルの新譜情報をチェックしてたら「Venenum」の文字列が目にとまりました。
Venenum? あのVenenum? マジ Venenum なのかぁぁー!!!
2011年のデビューEP「Venenum」以来実に6年ぶり。デビューEPには大変お世話になりましたよ。ですが、正直バンドは自然消滅していたかと思ってアルバムはあきらめていました。あぁこれは嬉しい!
ということで、ドイツはシュヴァーバッハ出身のデスメタル。2017年 1stアルバム。Sepulchral Voice Recordsよりリリース。
Division Speed、Hellish Crossfire などのメンバーも在籍している4ピースバンド
Steve Disgust – Vo,Bass
Aggressive Perfector – Drums
Patrick “Evil Possessor” Tauch – Guitars
David Pscheidt – Guitars
音楽的にはオールドスクールデスメタルの枠で語られたりその雰囲気はありますが、ブラックスラッシュに近いデスメタルと言った感じです。しかし、一番の特徴として挙げられるのは、ずばりエピック感漂う抒情要素でしょう。マイナーなバンドを例に申し訳ないのですが同じくドイツ”Chapel Of Disease”など好きな方はマストかと。
打ち震える壮大な抒情詩デスメタル
チェロとピアノによる不気味なイントロ。静けさになかに漂う狂気はブランクによる不安を期待へと転じさせる。結論から言えば文句など一つもない、いやその権利すら言わせぬ堂々たる威厳をみせてくれました。前EPより方向性は変えずに進化を遂げる。音楽性にこそ相違はあるがMorbus Chron、Tribulation、Horrendousのようにデスメタル、ブラックメタル、エピックメタル、メロディックメタル、プログレの垣根を超えた壮大な物語を聴かせてくれます。特に印象的なのは#5~7の3章からなる「Trance Of Death」です。3曲で約26分、ほとんどインストに近い曲ですがデスブラックから哀愁のハードロックへとシームレスに変化、ほんのり”Opeth”ぽいアヴァンギャルドなプログレを挟み、そして天を舞うかのようなメタル的カタルシスを喚起させる。この一連の構成力は見事と言う他ない。
ほんと素晴らしいアルバムを聴かせてくれました。まだ1stアルバムですので今後どんなバンドになるのか楽しみです。また6年後とかはカンベンですけど。今年度ベストデスメタル候補デス! Greeaaaatt!!!
一曲目から順当に聴いていけばラスト「Trance Of Death, Part III」で必ずや涙することになるでしょう。