『Lotus Thief / Gramarye』

どうもどうも、アナログです。ちょっと間が開いてしまいましたけど元気デス!こんにちは。
さて、アナログメタルといえばデスメタルなのですが、今は充電期間中なので、もう少ししたらドカッとガバガバに紹介しようかと思います。お楽しみに。

ということで、本日のレコードは昨年紹介しそびれたアルバム「Lotus Thief / Gramarye」デス。
なんかちょこっとブレイクしたみたいで垢ぬけたメンバー写真みてビックリしたわ。
 

カバーアートはIrrwisch Art Design


クリアマーブル盤 D面には薄っすらと模様が入っていてとてもキレイ

 

知識を称賛するテキストメタル

アメリカはサンフランシスコ出身のポストメタル。2016年 2ndアルバム。Prophecy Productions。
前作よりメンバーを一人増やし3人編成となりました。

Bezaelith: bass, synth, guitar, vox
Iva Toric: synth, backing vox
Otrebor: drums

まずは Lotus Thief ってどんなバンドかを簡単に説明しましょう。音楽的にはポストメタル、ポストブラック、アンビエント、ロックなどの音楽を融合、具体的には Vangeris、Pinkfroid などのスペーシーなサイケデリックプログレから Cocteau Twins、Dead Can Dance など4AD系アンビエントロックにも通じるサウンドをヘヴィメタルのフィルターを通しシームレスに表現するプログレバンドと言えるでしょう。

しかし、彼らの特筆すべき点は他にもあります。
それは「知識を称賛し、歌を通して古代の言葉とアートを表現する」という目的を持つプロジェクトであり自らを「テキストメタル」と名乗っているのです。
前作「Rervm」は哲学者ルクレティウスの『事物の本性について』がテーマでした。

 

5つの異なる文明の中で語られた5つの物語

そして今作「Gramarye」のテーマは「魔術」です。
解説によると、ルクレティウスの詩や哲学とは別な側面から人間の知識を探るということで2000年の歴史、5つの異なる文明の中で語られた「魔術書」をピックアップした5つの物語です。

1.死者の書
古代エジプト。死者の霊魂が肉体を離れてから死後の楽園アアルに入るまでの過程・道しるべを描いた書。

2.キルケ
ホメーロス作『オデュッセイア』に登場する魔女の話。アイアイエー島に住み、気に入った人間の男がいると島に連れて行って養い、飽きると魔法で獣や家畜に変えて暮らしている。本来は月の女神ないし、愛の女神だったと考えられている。

3.嘘の書
オカルティストにして魔術の教育者であったアレイスター・クロウリーが書いた散文詩集の形をとった魔術書。あの「ミスター・クロウリー」の人です。

4.セーラム
この曲だけは文献からの参照ではなくアメリカのセイラム魔女裁判のことを歌った曲であり、どうやらメンバーの先祖に関わる話みたいです。

5. Idisi 
古高ドイツ語で書かれた魔術書「メルゼブルクの呪文」に登場する古代北欧神話における女神たちの総称。乙女戦士の姿が特徴であるが、恐ろしい姿で現れるとされており、破滅と不吉の予言が迫っている事を警告し、運命に介入するのが役割。ワルキューレ、ヴァルキリーとも呼ばれる。


 

前作「Rervm」より縦ノリ型重アンサンブルは抑え、ミステリアスなアンビエントロックに比重を置いた作品であります。ロック面で語れば地味になったと言えるが、抑制されたサウンドはどこまでも美しく響く。目を閉じれば瞼を通し宇宙が広がるようである。でも、キャッチーなのでお手軽にダークアトモスフェリックの世界観に浸れます。強力にオススメデス。