『Bathsheba / Servus』
どうもどうも、アナログです。こんにちは。
昨年からいつ出るんだよとモヤモヤしていたベルギーの誓いの娘こと”Bathsheba”の1stフルアルバム「Bathsheba / Servus」が届きました! いきなりですが今年一発目の「キタ」をよろしいでしょうか。
キタァァァァア”!!!コレ。
カバーアートはOlivier Lomer-Wilbers。ベルギーのブラック・デス”Emptiness”でNeraathの名で活躍しております。
フィメールフロンテッドドゥームの新鋭 “Bathsheba”
ベルギーはリンブルフ州ヘンク出身のオカルト・ドゥーム。2017年 1stアルバム。Svart Records。
メンバーは以下の4人
Raf Meukens – Bass
Jelle Stevens – Drums
Dwight Goossens – Guitars
Michelle Nocon – Vocals
2013年結成。デモテープ作成の後、2015年 Svart Records より2曲入りEP「The Sleepless Gods」で鮮烈のデビューを飾る。ボーカルを務めるのはMichelle Nocon。元CathedralのギタリストGaz Jenningsが率いるバンド“Death Penalty”のボーカルでもあり、その妖艶な歌声に魅了された人も多いのではないでしょうか。BassのRaf Meukensも”Death Penalty”のメンバーです。
また、ギターのDwight GoossensはベルギーのHM-2デスメタル“Disinterred”のメンバーです。あと、先ほど知りましたが今年度より同じくHM-2デスメタルである“Torturerama”へ加入致しました。両バンドともマニアックなバンドですがHM-2デスメタルファンならば聴いて損はありません。
それぞれメンバーはバンドを掛け持ちしておりますが、僕はこのBathshebaが一番好き。そりゃもう、デビューEPで完全にノックアウトされましたので。
艶やかな轟音と沈鬱な暗唱が雫となり堕ちていく
■The Sleepless Gods
Black Sabbathの影響下、地中深くで煮え滾るスラッジドゥームの濁音とMy Dying Braide、Paladaise Lostらゴシックメタルに通じる荘厳性、そして女性特有の繊細な歌声が一体となった激重オカルティックドゥーム。
陰鬱の中に漂うメランコリックな歌声。このデビュー曲「The Sleepless Gods」は衝撃的でした。ミックスが違うけどアルバムにも収録されております。名曲です。
■Servus
待ちに待った1stフルアルバム。DEMOテープ~EPの音楽性は継承されつつ、実験的な新要素が加わる。一番驚いたのは#2「Ain Soph」でしょうか。突然鳴り響くブラックメタル然としたプリミティブなブラスト、サックスフォンによるフリージャズ風のアヴァンギャルドアンサンブル。予想のはるか斜め上をいくプログレッシブな展開にこのバンドの可能性というか底の深さを感じました。あとは邪悪なグロウル歌唱が加わりましたが、これがあまり迫力のないグロウル歌唱なので賛否があると思われます。楽曲のドラマ性の幅が広がるという意味では効果テキメン。
魔女っ娘グロウルに、最初「ファー」ってなったけど、当たらなければどうということはない。
曲展開における「静と動」、バンドアンサンブルとボーカルとの「陰と陽」、物語としての「聖と邪」、あらゆる場面で表裏が一体になっているようであり、バンドのもつポテンシャルを最大限に引き出しているのは、やはりボーカルのMichelle Noconの存在でしょう。これは”Death Penalty”にも当てはまります。メロディメーカーとしても素晴らしいボーカルです。
ということで、”Bathsheba”いかがでしたでしょうか。絶賛しすぎな気もするし、実際「The Sleepless Gods」を超えるインパクトのある曲はありませんでしたけど、アルバムを通して聴けばドラマ性があり沈鬱ながらエピック感に浸れる作品でした。僕には十分に素晴らしい1stアルバムデス。オカルトドゥームの新鋭としてフィンランドの”Mansion”と共に2本柱で押していこうかと思います。Grreeat!!!