『Ortega / Sacred States 』
怪しすぎる。絶対アヤシイよコレ!
税関に止められるかも、警察来るかもとビクビクしながら待っていたブツが届きました。
早速見てみましょう。本日のカセットメタルは「Ortega / Sacred States」デス!
Narshardaa Recordsからレコードも出ていますが今回は音質よりフィジカル的におもしろそうだったのでカセットを選びました。カセットはTartarus Recordsよりリリース。
中身はこんな感じ。テープ、矢じりに貝殻、怪しげな草と粉。「ペロっ、これは」ただの枯れ葉と砂です。 あまりにもアヤシイので絶対税関で止められるだろうと思っていたけど……
混沌化し増々面白くなるドゥームメタルシーン
今メタルシーンの主流といえばスラッジ・ドゥームメタル。昨年は”Neurosis”のニューアルバムが出ましたし、今年は”Pallbearer”がアルバムを出します。ジワジワとエピックドゥームの波も来てる感じがするし、まるで群雄割拠、停滞するどころか増々面白くなってきてます。バンド側は大変そうですけど。(聴く側も大変です。)
あと、大小各メディアでも個人ブログでも推しバンドが見事にバラバラなのも面白いですね。
ということで、前置きが長くなりましたがアナログメタルの推しバンドはこの「Ortega」です。
オランダ出身のドゥーム・スラッジ。2016年 2ndアルバム。
結成は2007年、過去にアルバム1枚と多くのEPをリリースしていますが、僕がこのバンドの存在を知ったのはこのアルバムから。メンバーは以下の4人
Frank De Boer – Bass
Sven Jurgens – Drums
Alex Loots – Guitar
Richard Postma – Vocals, Guitar
暗鬱なドラマ性ならダッチスラッジドゥームにおまかせ!
Neurosis, Isis(band)などのポストメタルを文脈としているのはあきらかであり、現在メタルシーンの流行りに乗った音といえば否定はできません。ですが、サイケデリックな空間演出がとても素晴らしく僕はすごく気にいりました。
激重のスラッジリフには現実的な悲壮感が漂いどこまでも冷たく突き刺さる。その現実と「対」となるのが模擬実験的アトモスフェリックな音響です。このバンドの場合「対」というか「層」になって夢幻な空間を作り出す。あくまでも非シューゲイズ的なスラッジ主体でありながら抒情的に聴かせる音楽性にはかなり引き込まれました。
良い部分だけでなく悪いところもいうと、曲が長い割には緩急ある展開が少なく淡々としている。特に4曲目は18分にも及ぶ大作であり終盤こそ劇的な盛り上がりを見せるが全体的には起承転結に乏しく途中だれてしまう。以前紹介した同国のポストメタル「Izah」のように楽曲にストーリー性を感じさせるようになればもっと素晴らしいバンドになると思います。
その「Izah」と同様、フューネラル性とはまた違う暗鬱な展開に「これぞダッチスラッジ」といったシーンが形成されたら面白いなぁ、なんて一人でニヤニヤしております。期待の念を込めて今後も注目していきたいと思います。
ですよねー