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『Phobocosm / Bringer of Drought』

どうもどうも、漆黒のアナログです。こんにちは。
最近、漆黒とか暗黒とか暴虐とかしか言っていないのでそろそろ怒られそうですが、本日の紹介のレコードもそりゃもうね、ということで  Phobocosm / Bringer of Drought デス! くぁ~、これはキタァァ。

 

 

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カバーアートはChimère Noire

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中の色合いがいい感じ。

 

 

加の国より漆黒のポスト・オールドスクールデスメタル登場

カナダはモントリオール出身のデスメタル。2016年 2ndアルバム。今作は4曲しか収録されていませんが、アルバム扱いとなっております。Dark Descent Recordsよりリリース。
メンバーは以下の4人

Samuel Dufour – Guitar
Jean-Sébastien Gagnon – Drums
Etienne Bayard – Bass, Vocals
Dominic Nucciarone – Drums (live)

 

Neurosis、Isis(バンド)以降の暗黒ポストメタルを探す場合、スラッジ、ハードコア、ブラックメタル界隈へと目が行きがちですが、ちょっと待ってほしい。いつものことですがオールドスクールデスメタルの文脈にも注目してほしいのです。
そこで、このカナダより現れた暗黒デスメタル “Phobocosm” の出番ですよ。この徹底された暗黒世界観に是非耳を傾けて欲しい。11分だけでも。

 

輝ける美意識を完膚無きまでに粉砕する

暴虐のブラスト、冒涜のドゥーム、混沌の詠唱、沈鬱な叫び。
人間の美意識を根底から否定する隣接世界。四方が絶望という壁に守られし漆黒の領域。

Incantation、Disma、Immolation 等へ救いを求めてしまいそうなくらい徹底した暗黒性。前作でわずかに感じた人の情はここにはない。救いがあるとすれば受け入れることです。拒絶すればするほど苦しむことになるので受け入れるのデス。

表向きには前作同様、凶悪なドゥームデスメタルを展開するが、Phobocosmが表現する世界は純粋な暗黒美。深淵の創造物を音楽的に描写する芸術性の追求。聴き込めば聴き込むほど素晴らしいと思えるが、これ以上は言葉で表現できない。自分の語彙力の無さに情けなくなる。

受け入れがたい方向性のため需要は限られると思いますが、これもオールドスクールデスメタルの一つの進化形だと思います。
Desolate Shrine や Anhedonist 、Gorguts、Corpsessed が好きな人には猛烈にオススメです。Great!!!