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『Horrendous / Anareta』

キ、キ、キタァ”ァ”ァーーー!!!
CD盤リリースから遅れること5か月。「Horrendous / Anareta」のアナログ盤が発売されました!!!
前作の2ndアルバム「Ecdysis」に続き、今作も海外のメディアで絶賛され、日本でも徐々に知名度が上がってきましたが、もっともっと知名度を上げるために、改めてHorrendous で打線組んだ を紹介しましょう。

 

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カバーアートはBrian Smith 裏面のイラストはMark Riddick

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限定のスプラッター盤 これはアナログ家の家宝にします。いやいや、墓場まで持っていくね。

 

メタル・リバイバルムーブメント

アメリカはフェラデルフィア出身のデスメタル。
メンバーはJamie Knox(dr)とMatt Knox(Gt,Vo)のKnox兄弟とDamian Herring(Gt,Vo)による3ピースバンド。アルバムではベース音は入っていますがライヴはベースレスの3人で行っている模様です。

オールドスクールデスメタルを基軸にしながら、唯一無二の存在へと突き進むHorrendous。
本日はとことんHorrendousということで、アルバムを順を追って紹介します。

さて、時代は少しさかのぼって2008年前後。
メタルシーンでは、ある動きが活発化してきた時期でもありました。
それは、80-90年代のHM/HRを若手バンドらが再構築するという「リバイバルムーブメント」と呼ばれるものです。先陣を切ったスラッシュメタル勢、そして “NWOTHM” と呼ばれる正統派バンドの活躍、デスメタルも例外ではなくAutopsy、Incantation、Dismember、Entombed などのオールドスクールデスメタルをリスペクトした若手バンドが次々とデビューした時期です。

そんな中、アメリカから2009年、デモ音源 “Sweet Blasphemies” をひっさげて Horrendous がデビューしたのでした。

Horrendous

 

■1stアルバム「The Chills」(2012)

2010年、アメリカのアンダーグラウンドレーベルDark Descent Recordsと契約し、同レーベルからカセット盤の「Sweet Blasphemies」をリリースしたのち、2012年待望の1stアルバム「The Chills」を発表します。

Entombed、DismemberタイプのデススラッシュにAutopsyの汚泥感をプラス、さらに叙情的メロディを大々的に取り入れた内容であり、アメリカのデスメタルにしては珍しい存在でした。珍しいだけではなく内容も素晴らしく、期待の新人として注目されました。しかし、数多くいるHM-2デスメタル、いわゆるスウェデッシュデスメタルフォロワーの域からは出ていないのも否定できません。

しかし、彼らは次のアルバムで、早くも化けたのデス。

 

■2ndアルバム「Ecdysis」(2014)

泣き、泣き、泣き! とにかく泣き!!
エピック感を全面に打ち出したアルバムに驚きを隠せません。HM-2によるスウェデス感を後退させ、ロックンロール要素を加味したメロデスサウンドは、強引にいえばCarcassの「Heartwork」の方法論を推し進めたデスメタルという印象です。

美と醜の対比がグラデーションのように滑らかに融合した世界観に涙腺崩壊は必至。また、ポストメタルやプログレ的な実験要素も取り入れ、自分たちのスタイルを模索、あるいは確立しつつあったアルバムです。

このアルバムによって一気に世界のメタルシーンにその名を馳せることになりました。
しかし、彼らはここで立ち止まるようなことはしませんでした。

 

■3rdアルバム「Anareta」(2015)

前作から約一年という異例の速さでリリースされた3rdアルバム。
リハーサルとレコーディング期間を除けば作曲期間は半年位か?
いくら波に乗っているからとはいえ、そんな短いスパンで何が変わるというのか!?

しかし、そんな不安と心配は杞憂に終わりました。
結果から言えばオールドスクールデスメタルの現状を打破する作品であり、素晴らしいアルバムです。
2015年度の私的ベストアルバムにも選出しております。

 

エピックからエモーショナルへ

まず、メンバーそれぞれのテクニックが格段に向上していることに驚きました。
個々のテクニック向上により、曲の表現幅が広がり、前作で導入されたポストメタルやプログレ的アプローチによる実験的な試みが今作で早くも開花したのです。

美醜のグラデーション、ロック的グルーヴ、高速デススラッシュから変拍子まで楽曲は複雑さを極めるが、プログレ特有の難解さを一切感じさせない一丸のプレイスタイルは見事というほかない。
また、感情を揺さぶるメロディの性質がメタル的なエピック感から、エモ、激情感あるメロディへとシフトし、いわいるポストメタル色の強いポスト・デスメタルへと進化をとげました。

 

オールドスクールデスメタルは終わらない

オールドスクールデスメタルはある意味「特別な領域」であり、地下腐敗臭を漂わせてナンボ。
エモいメロディの導入など「余計なことをするな」と怒る人の気持ちもわかるし、ポストメタルへのアプローチはタブーであるとさえ思うことがあります。

しかし同時に、アンダーグラウンドは保守的な場所ではない。王道も邪道もなく、誰からも制約されない自由な創作と挑戦、革新こそアンダーグラウンドミュージックの魅力的な一面だとも思っています。なかなか割り切れない事ですけど。

ということで、今作はポスト・オールドスクールデスメタルの始まりを予感させる一枚であります。
是非聴いてみ下さい。オススメDeath!!!

 

 

【おまけ】 アナログ「Decibel Magazin No.139」 を買う。

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Amon Amarth キター!  Decibelストアで定価6ドルだけど送料が12ドル。頭がピキピキしました。
ところで何故、18ドルも出してDecibel Magazinを買ったかというと……

 

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なんと、Horrendous がDecibel Magazinに提供した新曲“Sentenced”がソノシートで付いているのデス!
イァッホー! しかし、もったいなくて切り取れぬぜよ。

 

でも、ちゃんとSoundCloudで音源は公開されていますので一安心。って18ドル……

すごい! かなり実験要素が強い曲でありますが、Horrendousは、まだまだ進化してます。

はやくも次のアルバムが楽しみになってきたのDeath!(一年以内に出せー!)

 

これで Horrendous 特集は終わりですけど、いかがでしたでしょうか。

2000年代のリバイバルブーム。当初、ほとんどの人が鼻で笑っていたフォロワーバンドたちが、それぞれの道を見出し、今や現在のシーンを牽引する存在になっています。
アナログは何度でも言います。メタルに限らず、音楽は生きています。今、この瞬間が一番熱いんだと。

最後に、Horrendousの貴重なインタビューが[Marunouchi Muzik Magazine]さんのブログで掲載されておりますので、興味がわいた方は是非一読してみてくだい。
まさか、Horrendousのインタビューを日本語で読める日が来るとは思いませんでした。すごいブログです。

 [Marunouchi Muzik Magazine Horrendous インタビュー]