『MEGADETH / Dystopia』
「ラトルヘッド 奮い立つ!」
冷戦下、米ソ両極体制により統制された世界を皮肉った「Peace Sells… but Who’s Buying?」から30年。
その節目の年にリリースしたアルバム、その名もズバリ「Dystopia」現代のアメリカから世界情勢までMEGADETHがリアルに切り込む意欲作。
カバーアートはBrent Elliott White 久しぶりにカッコいいジャケ。このアルバムのコンセプトアートです。一見すると、ラトルヘッドがパンク(反体制)ロボットの首を切り落としている印象ですがPVを見ると……
ダウンロードコード付きだけど何故かDLできないぞ。 まぁ、いいけど。 180g重量盤
MEGADETH 完全復活!
アナログの元にもMEGADETHの新作「Dystopia」が届きましたので早速紹介したいと思います。
今年度における新譜紹介の一発目がMEGADETHとは、素晴らしい年になりそうです!
早速聴いてみた感想を一言でいうのならば「信じられない」
もう劣化する一方だと思っていたのに、こんなキレの良いMEGADETHが再び聴けるなんて信じられない。
作風はキャッチーでありながら冷徹。Countdown to Extinction とはいかないが Youthanasia、Cryptic Writings 時の鋭さは戻っています。複雑なリフをタイトに刻み、曲の転調も華麗である。無理して尖がっている印象はなく、自身のイデオロギーを剥き出しにした自然なカッコ良さが出ている。心からエクストリームミュージックを楽しんでいる印象です。
あとメンバーにも言及しないとですね。今作から”Angra”のKiko Loureiroと”Lamb Of God”のChris Adlerが加入。今作は2人ともMEGADETHのメンバーであることに徹し自分たちの持ち味は抑え気味。
しかし、二人のプレースタイルとMEGADETHとの相性は良さそう。このメンバーで長く続くとは思いませんが、もし続いたら過去最高のメンツになるかもしれない。
ということで、感無量。文句無しの傑作DETH!!!
矛盾した世界 人類の理想郷 「Dystopia」
このアルバムと直接の関係はありませんが「Dystopia」をアナログ流に説明します。
Dystopia(暗黒郷)とはUtopia(理想郷)の反対語であり、主に小説やSF映画の中で近未来世界として描かれています。作者によって解釈は様々ですが一般的に徹底的な管理・統制が敷かれた抑圧的な世界のことを指します。
偽りの敵、偽りの平和、体制側、反体制、マジョリティ、マイノリティ、経済、宗教、メディアは全て横で繋がっており、思想や文化を検疫する。不安要素は排除され民衆は気付かぬ内に統制下に置かれる。
支配層は説く。平和と正義。戦争と犯罪ない世界を。その世界がユートピアであるかのように。
もう一つ、ユートピアの一般的日本語訳は「理想郷」であるが、本来のギリシャ語の意味は「存在しない国」だそうです。「存在しない国(Utopia)」の反対語は「存在する国(Dystopia)」すなわち現実世界である。