『幼な子は無垢である。忘却である。そして一つの新しいはじまりである。ひとつの遊戯である。ひとつの自力で回転する車輪。ひとつの第一運動。ひとつの聖なる肯定である。』
出展 ニーチェ著『ツァラトゥストラはこう言った』氷上英廣訳 岩波文庫 青 639-2、40頁
カバーアートはMyke Pelly 前衛的なデザイナーです。
レコードは黒、赤、豹柄がありました。何故、このヤンキー色を選んだのかは、今となっては謎である。
『He Whose Ox is Gored / The Camel, The Lion, The Child』
King Crimson, YES, Opeth, Cynic, Dream Theater, Mastdon, John Carpenter, etc.
才気溢れる音楽家の影響を受け、新たな感性を持つ者が新たな音楽を創造する。脈々と受け継がれる才能に終わりはありません。
そして2015年、その才能を受け継ぐ新星 “He Whose Ox is Gored” 待望の1stアルバムが届きました!
メンバーはLisa Mungo – Vo Key, Brian McClelland – Vo G, John O’Connell -Dr, Mike Sparks – Ba の4人。ボーカルはハードコアスタイルの男性と、素朴な歌声の女性の2人。また、過去に2枚のEPを出しております。
完全無欠のアンサンブル アメリカン・プログレッシブ アンダーグランド
複雑な反復フレーズをアグレッシブに攻めるギター。トリッキーかつ繊細なドラム、自由を束縛するように重くウネるベース。緊張感に満ちた完全無欠のアンサンブルに興奮は隠し切れない。そして、この冷徹なプログレッシブ・コアと相反するかのように、スペーシーなシンセサイザーが自己を主張し、全体をスピリチュアルな空気で包み込むのです。このシンセが、もしメロトロンだったら洪水のように涙を流すのはリスナーの方だったでしょう。
それにしても、この弦楽リズム隊とシンセによる不思議な一体感は何なんでしょうか。“He Whose Ox is Gored” を画像検索すると、メンバー4人が肩を組んで並ぶ写真が多数出てきます。この絆が、不思議な一体感の正体なのかもしれません。
ラクダ、ライオン、幼な子
ところで、タイトルの「ラクダ、ライオン、幼な子」とは何でしょうか?
これは、ニーチェ著「ツァラトゥストラはこう言った」に出てくる教説の一つです。簡単に説明すると……
精神にとって重く苦しいものを背負い服従するラクダから、自由の意志を発揮し破壊者となるライオンへと変わり、そして新しい価値を創造するために、無垢な幼な子へとならなければならないと、人間の精神を「三段の変化」に例えたものです。
……はい、全然わかりませんね。もっと深い哲学なので興味のある方は研究してみてください。
さて、彼らは今、どの段階にいるのでしょうか。
また、既存の価値観をぶち壊し、混迷極める時代に新たな価値観を創造すると言うことなのでしょうか?
今後がとても楽しみデス。めちゃくちゃ楽しみデス! Great!!! x100
今なら全音源セットが$9.74 で購入できます。 【ここからどうぞ】
過去の名盤を聴くことも大事ですが、「今」を生きている音を聴くことはもっと大事なことです。
アナログはこう言った(よ)