HELA_LODO_Split1

『Hela / Lodo – Split EP』

「死後世界の女王」

スペインといえば… 情熱の国、灼熱の太陽、エキゾチックなフラメンコ? いやいや漆黒のドゥームサウンドでしょ! ということで今日はスペインのドゥームメタル x 2バンドによるスプリット 12″の紹介デス Hela / Lodo – Split EP  スペインは光と影の国とも言われています。

HELA_LODO_Split2HELA_LODO_Split3
カバーアートはdeadsign.esスタジオのJulian

スパニッシュ・ゴシックドゥーム/スラッジ

HELA スペインのエルチェ出身のドゥームメタル2014年作。現メンバーはMireia Porto: Vo & Gt, Julián Velasco: Gt & FX, Tano Giménez: Ba, Miguel Fernández: Drです。このスプリットレコード制作時で歌っているオリジナルメンバーのIsabel Sierrasは脱退しております。

まずバンド名のHELA(ヘラ)。HELAとは北欧神話の老衰、疾病による死者の国を支配する女神Hel(ヘル)のことです。ギリシャ神話の女神ヘラではありませんので注意。Wikiで詳しく見てみると「北欧神話の中で唯一、死者を生者に戻すことができる人物であり、上半身は人肌の色で、下半身は腐敗して緑がかった黒へ変色しているとされる。これは彼女の体の半分が生きていて、もう半分が死んでいるということを意味している。」 だそうです。

冥界より奏でられし腐敗と清廉の旋律

奈落より這い出る漆黒ドゥームリフとゴシック的荘厳憂鬱なメロディが支配する破滅的世界観。その世界に響く幽玄かつ清廉な歌声。女性ボーカルIsabel Sierrasによるその歌声は世界を再生させる唯一の光のよう。重音ギターリフの現実感と女性Voによる浮遊感。暗黒と光筋、混沌と秩序、破壊と再生、死と生……。
もうお気づきかと思いますが、このバンドのコンセプトは「対比」体の半分が生きていて、もう半分が死んでいる女神 “HELA” がコンセプトの軸になっているのです。なかなかうまい事考えましたね。素晴らしい!

素晴らしい才能を持ったバンドだと思うのですが、もしかしたら人によってはIsabel Sierrasの歌が下手だと感じるかもしれません。アナログ的には「これ初っ端から音程はずれてるよ!」と大興奮なのですがなかなか理解されません。慣れるとサイケデリック感がたいへん心地良い声なんですけどね。残念ながらIsabel Sierrasは既に脱退しています。そして、代わりに入ったのがストーナーバンド”Rosy Finch”でギター&ボーカルを務めるMireia Porto。彼女の実力は”Rosy Finch”で証明されています(上手い)のでご安心を。現在このラインナップでニューアルバムの制作準備中だとか。来年にはアルバムが出ると思うので楽しみに待っていましょう。ゴシック・ドゥームファンにオススメDeath!!!

アナログ盤にはPentagramのカバー曲Sigh of the Wolfも収録されております。

 

何か忘れているような……