。
『神はお前を完全なものとして創造られたが、不変不動のものとして創造られはしなかった。
善なる者として創造られたが、その善を飽くまで保持するか否かはお前の力に委ね、お前の意志を、不可避の運命或は厳しい必然によって支配されない、元来自由なものとして定められた。
神が求め給うものは、われわれの自発的な奉仕でこそあれ、強制された奉仕ではない。かかる強いられた奉仕は、げんに神に認められず、また認められ得ないものなのだ。』
出展 ジョン・ミルトン『失楽園・上』平井正穂訳 岩波文庫 赤202-1、250頁
。
『Paradise Lost / The Plague Within』
「祝福あれ、奈落の上に!」
ついに、この日がキタ! 本日はアナログのフェイバリットバンド、大大本命と言える作品が届きました。
す、素晴らし過ぎる。興奮し過ぎてアナログの膀胱が失楽園……
はい、ということで、今回はリミテッドBOXセットを買いましたので早速見てみましょう!
Paradise Lost / The Plague Within それではどうぞ。
。
■180g Gatefold Double Vinyl
まずはレコード。カバーアートは Zbigniew M. Bielak すごい描きこみ。180g重量盤2枚組み
。
■Mediabook CD
つづいてMediabook CD。ボーナスディスク付。ハードカバー製本。挿絵や写真はほとんどありません。
。
■LTD盤と通常盤との違い
LTD盤を待ちきれなかったので通序盤も買ってしまいました。通常盤はマット(非光沢紙)ですがLTD盤はコート紙(光沢紙)です。通常盤のマット紙の方が高級感がありました。
LTD盤にはボーナストラックが3曲収録されていますのでサイドDがあります。
バイオリンが美しい”Fear of Silence” メランコリックでヘヴィなゴシックナンバー”Never Look Away” ミックス違いというよりライヴバージョンの”Victim of the Past(orchestral version)”
このボーナストラック、特に前2曲は素晴らしい曲です。何故アルバムから漏れたのか、むしろ本編に入れてほしかった。もったいないので何らかの形で提供して欲しいです。
苦悩する天使か、楽園を去りし人間か……
イギリス ゴシックメタル 2015年 14thアルバム。メンバーはNick Holmes – Vocals, Greg Mackintosh – Lead Guitar, Aaron Aedy – Rhythm Guitar, Steve Edmondson – Bass Guitar, Adrian Erlandsson – Drums。
アナログがGothic Metalの最高傑作と崇める”ICON”を彷彿させる重厚かつ威厳的な曲から始まる今作。静と動のコントラスト、重厚で荘厳、耽美的、女性コーラスこそないけれど、これぞGothic Metalと言えるアルバムであることには間違いありません。
1988年に結成し、ゴシックメタルのパイオニアと呼ばれてから24年。その地位に留まらず常に実験的意欲に溢れ、自分たちの自由な意思に従い全盛期と呼べる時期に大胆な方向転換をし、一時期メタルファンから外を向かれながら、アーティストとして今もなお進化し続けるParadise Lost。今作品は過去13枚のアルバムの経験が“点”となりそれらを“線”で結んだ先にあるのがこの”The Plague Within”だと感じました。決して原点へ返った訳ではなく、もちろん終わりでもありません。まだ線には続きがあり、これからも点は続くのデス。
.
『彼らの眼からはおのずから涙があふれ落ちた。しかし、すぐにそれを拭った。世界が、――そうだ、安住の地を求め選ぶべき世界が、今や彼らの眼前に広々と横たわっていた。そして、摂理が彼らの導き手であった。二人は手に手をとって、漂泊の足どりも緩やかに、エデンを通って二人だけの寂しい路を辿っていった。』
出展 ジョン・ミルトン『失楽園・下』平井正穂訳 岩波文庫 赤206-3、308頁。
「ああ、間違いない。傑作だ。」