『Desolate Shrine / The Heart of the Netherworld』
「漆黒のプログレッシブ」
はい、神降臨しました! 上半期一番の期待作。アナログメタル的には2015年の本命といえる作品デス。ということで今日紹介のレコードは漆黒の Desolate Shrine / The Heart of the Netherworld 黙示録メタル、再び。
カバーアートはメンバーのLL 神ジャケ!? ラスボスジャケ? 女神が転生しそうです。
今作は限定盤はありません。重量盤x2 Black Vinylのみ。
嫌悪感の先に見えるもの……
フィンランドはヘルシンキ出身のデスメタル 2015年 3rdインパクト。
全てのパートの演奏と作曲をこなすLL、そしてRS(低)とMT(高)のツインボーカルの3人体制。リーダーのLLはジャケットの画も描いています。ホントに神かも。
相変わらず「一見さんお断り」的な邪悪に満ちたサウンドに眉をひそめ、聴くに値せずと嫌悪感を抱く人もいるかと思われます。もちろん無理に聴く必要はないし、オススメすることもしません。
しかし、表面上の音楽性だけで今作の出来を判断するにはいささか勿体無い感じです。もう一歩踏み込み、この作品の中枢にある音楽性、あるいは芸術性を感じてもらいたいとも思っています。アナログも最初は心が折れそうになりましたが今では愛聴盤になっております。
混沌、悲哀、絶望、 醜悪、貫徹された退廃美
現代プログレッシブにも通じる反復リフを基軸に展開される、冷徹なクリーンパートと破壊的轟音による「静と動」のコントラスト、そして地獄からの咆哮ならびに断末魔のツインボーカルによるむき出しの感情表現。全編を通して不安感と心理的な抑圧に支配された暗黒プログレッシブメタル。
圧巻はC-1のWe Dawn AnewからラストHeart of the Netherworldまで。まるで神々の戦いを描いた壮大な叙情絵巻を見ているかのような迫力。細部まで練られた楽曲と緻密に計算された演出はリスナーの感情をも完全にコントロールする。ラストは絶望から感動へ、荘厳な雰囲気に包まれた世界に一筋の光明を見るかもしれません…… しかし、それはきっと幻でしょう。Desolate Shrineの悪夢は永遠と続くのDeath! Perfect!!!