『Temple of Void / Of Terror and the Supernatural』
「これは〇〇メタルの響きだ!」
またまた素晴らしいバンドがデビューしました! ジャケから想像するにストーナーバンドかと思いましたが全然違いました。本日紹介のレコードは Temple of Void / Of Terror and the Supernatural これがデビューアルバムとは末恐ろしいDeath!
カバーアートはBruce Pennington すんごいファンタジーアートを描くアーティストです。
彗星のごとく登場したアメリカンドゥームデスメタルバンド
アメリカ産ドゥームデスメタル、2014年、デビューアルバム。
2012年ミシガン州デトロイトでAlexとEricによって結成され2013年デモテープを制作するも瞬く間に評判は広まり異例の速さでデビューアルバムをリリース。メンバーは以下の通り。
Alex Awn – Guitar
Eric Blanchard – Guitar
Mike Erdody – Vocals
Jason Pearce – Drums
Brent Satterly – Bass
崇高なるゴシックの旋律
ドゥームメタルと一口に言ってもフューネラル・スラッジ・ストーナーなどいろいろありますが、このバンドはオールドスクール・ドゥームデスメタルと言ってよいでしょう。しかし、Serpentine Pathのような生粋のドゥームデスメタルではなく随所で感じる荘厳な雰囲気がゴシックメタルのよう。そうなんです!「これこそゴシックメタルの響き! 」とアナログは思ったのデス。まぁ、本人たちはゴシックメタルとは名乗っていませんけど……。ともあれ、ドゥームデスメタルファンはもちろん、Paradise Lost,My Dying Bride,Tiamat などが好きな方には是非聴いてもらいたいサウンドDeath!
ヨーロッパ的な荘厳サウンドをアメリカ流に再構築。まるで世界が荒廃したかのような破滅的で重い旋律がアルバム全体を支配する。地を這うようにへばりつく醜穢なヘヴィサウンドが実にアメリカらしい。時として奏でられる荘厳なメロディは葬儀的であり、また一縷の望みでもあるかのよう。このサウンドの背景には破綻したデトロイトの厳しい状況が影響されているのかもしれません。
演奏面で特筆すべき点は彼らのテクニックでしょう。Opethに通じるアコースティックによる繊細なインスト“To Carry this Corpse Evermore” を聴けば彼らの腕前が確かなものであることがわかります。
繊細かつヘヴィ、ドラマ性も兼ねそろえた一枚。こんなバンドを待っていた!!
アナログ的ベストトラックはExanimate Gaze 感動的なラスト