『Bloodbath / Grand Morbid Funeral』
「失楽園 x 大虐殺」
これは夢か幻か!? アナログにとって今年一番のビッグニュース! 誰がこのラインナップを予想したであろうか? 今日紹介のレコードはBloodbath / Grand Morbid Funeral まさかの Nick Holmes 参戦!
オールドスクールデスメタルへのオマージュ
スウェーデンのデスメタル 2014年 4thアルバム。Nick Holmes加入の話はとりあえず置いといて、まずはこのバンドを簡単に紹介。
1998年、Mikael Åkerfeldt(Opeth), Anders Nyström & Jonas Renkse(Katatonia) そして Dan Swanö らによって結成されたサイドプロジェクト。このバンドのコンセプトはオールドスクールデスメタルへのオマージュ。Entombedを初めとする自国のバンドはもちろん、世界中の80年代後半から90年代前半のデスメタルをリスペクトし、現代的に再構築する。よって、彼らの奏でるサウンドはモダンヘヴィネスや叙情性を極力省いたアンダーグラウンド志向のサウンドを要としております。
現在、Dan Swanö、Mikael Åkerfeldtは本業に専念するため脱退しており、今作はJonas Renkse, Anders Nyström, Martin Axenrot(Opeth),Per “Sodomizer” ErikssonそしてParadise Lost のNick HolmesをVoとして迎え製作されました。
大虐殺デスメタルサウンドここに極める
で、このニューアルバムなのですが、結論から言うと最高傑作かと。
アルバム全体がブルータルかつ退廃的な疾走感に満ちており、叙情的な展開は極々わずか(しかしアクセントになっている)。さらにVoの影響でしょうか、随所で不気味な空気を漂わせ、作品をより一層陰湿なものにしております。往年のスウェディッシュディスト―ションサウンドも健在で身体を残忍に切り刻むかのよう。Martin Axenrotのドラムも凄まじい。複雑で手数が多いにも関わらず一打一打がすべて正確。正にワンショット・ワンキル! ブラストビートの迫力も鬼神の如し。サイドプロジェクトだという事を感じさせないバンドの本気度がスゴイ。
そして、今作のキーパーソンは何と言ってもVoのNick Holmesでしょう。前途で述べましたが、このアルバムに不穏な空気を持ち込んだ時点でNick Holmes 加入は大正解だと思います。
前VoのMikael Åkerfeldtの迫力の低音グロウルに比べNick Holmesのグロウルは中音でウニョウニョしています。このウニョウニョしたデス声で畳み掛けるようにリリックを吐くと、最高に気持ち悪く違和感だらけで戸惑いました。しかし、その戸惑いもすぐに払拭されます。この病的なサウンドにはこのVoスタイルしかありえないと。気持ち悪さがいつの間にか気持ちよく聴こえるのです。これがベテランの感性なのでしょうか。Nick Holmesスゴイ男デス。
という事で、このラインナップがいつまで続くかわかりませんが新生Bloodbath 激オススメDeath!
Katatoniaでも本気出して……