『Cemetery Fog / Towards The Gates』
「期待のB級新人」
さあ、みなさんの大好きなB級デスメタルコーナーDeath! 昨今、70年代B級HR、80年代B級HMのリバイバル・バンドが活躍しておりますが、ついにキマシタ! 90年代初期型B級デスメタル。今回紹介するLPは Cemetery Fog / Towards The Gates 「B級B級うるさいんじゃ!」
※注意 このレコードA面が33回転、B面が45回転となっています。マジ地獄……
懐かしのオールドスクール・ゴシックドゥームデスメタル
フィンランド ドゥーム デスメタル 2014年 1st MLP。チープな音質、もっさりギター、ドタバタドラム、そして絶望的に音痴なクリーンボイス…… 「だがそれがいい!」 このB級感満載の怪しげなサウンドを聴いているとゴシックメタル黎明期に活躍したParadise lost, Tiamat, My dying bride, Anathema等を思い出してしまい、つい目頭が熱くなってしまいました。なので、あえてアナログはこのバンドを“ゴシックメタル”と呼びたいと思います。
さて、散々B級だの、ヘタクソだの、クリーンボイスがドゥームだのと言いたい放題でしたが、アナログは完全に魅了されてしまいました。何故魅了されるのか? まず第一に曲の組み立て方や悲壮感溢れるメロディにキラリと光るセンスが見え隠れすることでしょうか。基本はBlack Sabbath的なヘヴィドゥームなリフに低音グロウルが乗る絶望サウンドです。その重苦しい雰囲気の中で鳴るキーボードやアルペジオギターが、まるで絶望の淵から救いの手を差し伸べてくれるかのようなメロディで素晴らしい。さらに、女性コーラスが入った時には「やられた~」という感じに涙腺崩壊。
第二に、狙ったB級という感じではなく、やりたい事は分かるし、一生懸命だけど経験やテクが足りないという未熟さ故のB級サウンドで、好感とワクワクするような期待感を抱きました。今後、彼らがテクニックや曲の完成度などを高めた時、一体どんなサウンドを聴かせてくれるのか、また一つ楽しみができたアナログでした。
かつての暗く歪んだゴシックメタルや上記のバンド名にピンときた方には是非とも聴いてもらいたいDeath!