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New Age of Death Metal Part6

2020年2月21日

 
どうもどうも。アナログです。こんにちは。
本日も「New Age of Death Metal」と題して2010年代を振り返り「リバイバルムーブメント」を再考する。さらに、次の10年に向けて期待のバンドもピックアップしようというコーナーです。

早くも今回で6回目。終わりが見えないので前回からテクニカル、コスミック、ドゥーム、ブラッケンドなどカテゴリー別(サブジャンル)で一気に振り返る方向へチェンジしました。
しかし、前回分読み返したら1ミリもサブジャンル別になってなかったというね。今回こそサブジャンル別でしっかり振り分けながら書きたいなと思ってます!

 

8.「虚無」~VOID, VOID, VOID~

10年代は無限の宇宙なんだよ!とにかくVoidだ。VoidVoidVoidだ。
ということで、最近やたらVoidが多いなと。おかげで「Void」という単語を見ると条件反射でポチる体になってしまったさ。財布の中身がボイドだよ。

 
  

VOIDCEREMONY:
14年EP「Dystheism」
15年EP「Cyclical Descent of Causality」
18年EP「Foul Origins Of Humanity」★オススメ

まずはVOIDCEREMONY。2020年2月現在ほとんど話題になっていませんが、20年代OSDMとして必ず台頭してくるバンドです。絶対に。「絶対にだ!」と言い切るさ。正直EPの音質は最悪と言えるけどその劣悪な音質でふるい落とされたらイケナイ。肝心の内容はアヴァンギャルドでギリギリの線を攻めるプログレッシブデスです。要となるドラムにはFunebrarumのCharles Koryn氏。一度脱退してウソだろと思いましたが18年に復帰し一安心。更に今年は「20 Buck Spin」から1stアルバムが予定されてます。ヤバいアルバムになるで。要チェックです!

 
 
 

Void Terror:
17年デモ「Soul Harvest」
19年スプリット「Holocaust of Terrestrial Empires」

若手一押しの虚無。注目度の高さでいうと17年結成で17年作のデモがいきなり「Me Saco un Ojo」からカセットと7インチでリリースされるという位です。サウンドはIncantation系の激Rawなデスメタル。まだ突出したものはないけれど恐らくメンバーは20代だと思われるので今後大化けする可能性ありです。そういう雰囲気は感じる。

 
 
   

Void Eater:17年「I」18年「II」「III」19年「IIII」

「虚無を喰らう者」とかカッコよすぎる。ノルウェーのバンドで陰鬱でノイジーなブラックメタルに近いサウンド。かなり虚無感が出ていて、これはいいかもと思っていましたが既に解散している模様。ちなみにObliterationのRolf Kristian Valbo氏のプロジェクトでした。

 
 
   

Voidspawn:16年「Pyrrhic」★オススメ
COSMIC VOID RITUAL:17年「The Excreted Remains of the Sabatier System」
Void Rot:18年「Consumed by Oblivion」
Gutvoid:19年「Astral Bestiary」
 
 

全体的にIncantation, Kryptsあたりの音楽性かつ、マニア好みの臭いを醸し出しているのであまり多くの人にはオススメできませんが、今後面白くなりそうなバンドもいます。
あと一番肝心な虚無Temple of Voidは後程記述する予定です。
以上、虚無へのいざないでした。

 
 
 

9.「10~20年代アナログメタル注目の若手OSDM」

 
自分で言うのもアレですが、この10年代は若手OSDMをメチャクチャ聴いてまいりました。
デモカセットテープも沢山買いました。南米からは9割方届きませんでした…… まぁその話は置いといてですね、これからの時代、2020年代に世間を沸かすであろうバンドをピックアップしました!
まずは上記Voidコーナーで紹介したVOIDCEREMONY。今年(2020年)出る予定の1stアルバムは世界を震撼させるでしょう。それからあと5バンドを厳選してみました。

 
  

Cemetery Filth:
14年EP「Screams From The Catacombs」
16年スプリットEP「4 Doors to Death」
17年スプリットEP「Sewercide / Cemetery Filth」★オススメ

Sickness! これぞU.S.デスメタルと言わせてよ。AutopsyライクなOSDMでデビューした当時20代だった青年達もいまや30越え、ようやくです。ようやく1stアルバム「Dominion」が2020年4月に出ます!

Dan Seagraveジャケキター‼ 約束された勝利。我慢できず公開された曲を聴いてしまったさ。めちゃくちゃ攻めてます。1曲だけど最高としか言いようがない。Cemetery Filth みんな忘れずに!

 
 
 
   

Garroted:
16年デモ「In the Court of Nyarlathotep」
18年EP「Of Damnation and Abyssal Terrors」
19年EP「The Mystic Valley Tapes」
20年スプリット「Transcending the Esoteric Plane」★オススメ

腐敗臭漂うというには少々ソリッド気味ですがテクニカル志向のOSDM好きならばピンと来るはず。EPを出すたびに曲もテクニックも洗練されてきてます。特に最近リリースしたCalcemiaとのスプリットEPの出来にはシビレました。新境地を開いた感があるので、ここらでアルバムがリリースされれば一発逆転だと思う。何が逆転なのかわからんけど、推しです!

 
 
 

Calcemia:
17年EP「The Unburning Flame」
20年スプリット「Transcending the Esoteric Plane」 ★オススメ

最近上記のGarrotedとスプリットEPをリリースしたテクニカルなOSDM。テクニカル志向は共通するがサウンドは全く違う。Garrotedは90年代的ですが、Calcemiaはブラック、フィンニッシュ、さらにリズムチェンジの激しさやクリーン気味のリフを散りばめ現代的なサウンド。若さ溢れるアヴァンギャルド感が面白いです。

 
 
 

Hemotoxin:
16年「Biological Enslavement」★オススメ
20年「Restructure the Molded Mind」←NEW アルバム!

もうメチャクチャ好き。後期DEATHやHorrendusの音楽性をさらにスラッシーに、さらにメロディックに、さらにブルータルにと聴きどころ満載。デススラッシュファンの方もメロデス好きにもアピールできるカッコよさ。とにかく曲がキャッチーで分かりやすい。今流行りのロウデスメタルとは真逆の存在であるけどキャッチー性は重要なポイントであり20年代にとって重要なファクターになりうると思う。もうすぐニューアルバムも出るので要チェックです。
 
 

 

XANTAM:
15年デモ「LifeDeathBeyond」
19年EP「Altered State」★オススメ

アナログメタルの19年度ベストEPに選んだバンドがこのXANTAM。ブラッケンドな醜悪なトレモロリフにブラスト主体のリズム。幻覚作用を引き起こすループ。その狂気の中に垣間見る繊細なメロディ。突然なドラマ性。あぁ最高じゃないか。ちなみにバンド名ザンタムはゲーム「バルダーズ・ゲート」のボスキャラだそうです。キャラの版権とか大丈夫なのであろうかとか余計な心配をしてしまう。

 

Tideless:
16年デモ「Sea of Tears」
17年EP「Eclipsed Blood Horizon」★オススメ

ついでにXANTAM繋がりで紹介。このTidelessはXANTAMのリーダーKyle Armendariz氏もう一つのバンド。サウンドは4AD系デスメタル!? 幻想的で浮遊感あるシューゲイザーなデスメタルでスゴク面白い。結構オススメなので、変わり種が好きな方聴いてみてください。

 
 
 
今回はVOIDCEREMONY、Cemetery Filth、Garroted、Calcemia、Hemotoxin、XANTAM + Tidelessと10年代インパクトがあり、且つ20年代活躍しそうな若手バンドをまとめてみました。みんなアメリカのバンドなんですよね。アメリカの層の厚さってスゴイね。

それではまた次回。
 
 
 
 

New Age of Death Metal Part5

2020年2月14日

 

どうもどうも。アナログです。こんにちは。
本日も「New Age of Death Metal」と題して2010年代を振り返り「リバイバルムーブメント」を再考する。さらに、次の10年に向けて期待のバンドもピックアップしようというコーナーです。

第3回までは各国ごと振り返っていましたが絶対終わらない気がしてきたので、今回からはSci-Fi、テクニカル、ドゥームなどカテゴリー別で振り返ります。どマイナーなバンド、若手、中堅で印象に残ったバンドおよびアルバムを一気に振り返りみなのSAN値をガリガリ削りたいと思います。

 

5.「Dawn of the Death Metal」

10年代及びリバイバルムーヴメントを振り返るというコーナーなんですが企画の構成をあまり練っていなかったので、ここでちょっとだけ時間をさかのぼります。というのもやはり10年代リバイバルを語るにはこれだけは外せない00年代から活躍するバンドの音源も貼っておかないといかんなということで2バンドだけ紹介。

  

Funebrarum:09年作「Sleep of Morbid Dreams」
Dead Congregation:08年作「Graves of the Archangels」, 14年作「Promulgation of the Fall」

FunebrarumとDead Congregation両バンドとも90年代初期デスメタルのアンダーグランド性をインターナショナルに受け継ぎ、いわばOSDMが多様性取り入れ進化したバンドであり、10年代のリバイバルムーヴメントを運命付けたバンドでもあります。
アンダーグランド性が強いので一見さんお断りな雰囲気はありますが(これでも聴き安くなりましたので)ゼッタイ聴いていたほうがいいです。

 

6.「RAW」~Breaking The What?~

Incantation~Funebrarum, Dead Congregationの流れを組むRaw Death Matal。正確にはロウデスメタルはカテゴリーでもなんでもなく、読んで字のごとく「生々しい」デスメタルで10年代ルリバイバルデスメタルの特徴です。特に10年代終盤はドゥームデスの勢いが凄かったですかね。

 
  

Tomb Mold:16年デモ「The Bottomless Perdition」16年デモ「The Moulting」
19年作「Planetary Clairvoyance」

昨年(2019)は若手OSDMにおいてBlood Incantationと人気を二分したTomb Mold。デモの時点で可能性の片鱗を見せていたがここまで人気というか短期間でここまで洗練されたデスメタルになるとは思いませんでした。最新作では完璧と言えるデスメタルを聴かせてくれたので、逆に今後どうするんと心配になりますがきっと良い意味でその思いを裏切ってくれるでしょう。★オススメ!

 
 
 

Spectral Voice:15年作デモ「Necrotic Doom」17年作「Eroded Corridors of Unbeing」

Blood Incantationのメンバーによるドゥームデス。今でこそ「Blood Incantationのメンバーがいるのね、なるほど。」と納得できるけどデモテープ「Necrotic Doom」聴いたときは情報がほとんどなく、よくわからないがこれはスゴイぞと興奮しました。1stアルバムで爆発的に人気がでましたが、キャッチーな要素はありません。安易に手を出すと痛い目にあうので注意。

 
 
  

Phrenelith:17年作「Desolate Endscape」★オススメ
Hyperdontia:18年作「Nexus of Teeth」
TAPHOS:18年作「Come Ethereal Somberness」

10年代後半、飛ぶ鳥を落とす勢いでデモ&アルバムをリリースしたのがUndergangで有名なデンマークはコペンハーゲン・デスメタル。どのバンドもデモの段階でヤバい臭いをプンプン漂わせていました。アルバムではその臭いは激臭となって身体を蝕む。マニアにとっては10年代裏デスメタル大賞はコペンハーゲン・デスメタルではないだろうか。裏ってなんだよ。

 
 
  

DISMA:11年作「Towards The Megalith」
Ruinous:16年作「Graves of Ceaseless Death」★オススメ
Extraneous:17年デモ「Lonesome Death」

10年代で重要なバンドDISMA。ジャケからして傑作。そしてDISMA, Funebrarum等の何が何だかわけわからん人脈関係で印象に残ったバンドRuinousとExtraneous。RuinousはFunebrarum脱退組が結成したバンドなので間違いなし。ExtraneousのドラマーCharles Koryn氏は若干26歳ですが既にFunebrarumを始め多数のバンドから引っ張りだこの凄腕。要注目の若手です。

 
 
  

Mortuous:18年作「Through Wilderness」★オススメ
Scorche:18年作「Ecliptic Butchery」★オススメ
Ataraxy:18年作「A Matter Lost in Time」★オススメ

この3バンドはあまり話題になりませんでしたけどアナログメタル的には激しく印象に残ったバンドです。
Mortuousはデモの段階ではありきたりなHM-2デスメタルでしたが、アルバムまでの6年間で劇的に変わりました。ピュアデスメタルあり、グラインドあり、そして極めつけは荘厳なメロディ展開と聴きどころ満載。プロフィールにも書いてありましたがParadise Lost, Incantation, My Dying Brideから影響されているようです。納得。
Scorcheのアルバムも凄かった。今までリリースした音源は少しモッサリしていましたがこのアルバムで化けたね。Tomb Moldに勝るとも劣らない完成されたデスメタルといえるかな。言えないかもしれんけど隠れた名盤間違いなし。
Ataraxy、何故?何故スルー状態なんだよ。こんなにスケールのでかい、宇宙の鼓動すら感じるデスメタルが…… というか2018年のヤバさ。何気にスゴイ年だったのでは。

 
 
 

7.「ディグる」~アナログ異端審問~

あとはRAW DEATH METALの音源を貼りまくる。

   

Witch Vomit:17年「Poisoned Blood」トゥルーデスメタル!
BONES:14年「Awaiting Rebirth」ベルギーのBONESです。プリミティブなObituaryな感じ。★オススメ
Beyond:13年「Fatal Power Of Death」解散しました。残念。ほんと残念。
Deceive:14年「Arrival of the Dark Masters」スゴク好き。活動再開を切に願う。★オススメ

 
   

Coffincraft:15年「In Eerie Slumber」フィンデスの方に貼り忘れた。良さみ。★オススメ
CHTHE'ILIST:16年「Le Dernier Crépuscule」Demilichが好きな方へ。
Kult Mogił:15年デモ「K​+​M​+​B 2015」何かやってくれそうな気配。
Blood Urn:14年「.​.​.​of Gory Sorcery and Death」オーストリアの至宝。

 
   

Gutter Instinct:16年「Age Of The Fanatics」ブルータルHM-2!★オススメ
MORTIFERUM:17年デモ「Altar of Decay」
Regurgitated Guts:17年EP「Esophageal Mutilation」
Cryptic Grave:17年EP「Cryptic Grave EP」キレのあるObituary感が好きだな。

 
   

FOUL:18年EP「Of Worms」ちょっとゴシック要素が入っている。こういうのに弱いです。★オススメ
MALIGNANT ALTAR:19年デモ「Retribution of Jealous Gods」War Masterのメンバー在籍。懐かしい。
Fetid:19年「Steeping Corporeal Mess」期待のドゥームデス
Chthonic Deity:19年デモ「Reassembled In Pain」ドラムはCharles Koryn氏

 
   

Sedimentum:19年デモ「DEMO」
UNDEATH:19年デモ「Sentient Autolysis」
Harsh Realm:19年EP「Beyond Torment」
Frozen Soul:19年デモ「Encased in Ice」

 
 
 
完全にドゥームデスブーム到来って感じで、これでも氷山の一角です。
全部一気に聴いたらさすがに頭おかしくなるさ。ディグるときは焦らずだ。

ということで、僕にとっての10年代「RAW DEATH METAL」を振り返りました。
それではまた次回。

 
 
 

New Age of Death Metal Part4

2020年2月1日

 
どうもどうも。アナログです。こんにちは。
今日もまた「New Age of Death Metal」と題して2010年代を振り返り「リバイバルムーブメント」を再考する。さらに、次の10年に向けて期待のバンドもピックアップしようというコーナーです。
第4回目は、己の道を信じ歩み続けたベテラン達の10年を振り返りたいと思います。

 
 

4.「Back From The Dead」~不朽の精神、不易の魂~

オールドスクールデスメタル・リバイバルには二つの側面があります。一つは若手によるオールドスクールデスメタルの復興。そしてもう一つはベテランの活躍および再評価です。若手だけではムーブメントは一過性のもので終わる可能性がありました。しかし、ベテラン達の粘り強い活動と常に全盛期だと思わせる作品のリリース、更に90年第初期デス組の復活などの相乗効果によりムーブメントが定着したと考えます。

ということで、今回もガシガシ貼っていきます!忘却の彼方に葬られた古のもの達の逆襲が始まる。

 
 
Incantation:12年作「Vanquish In Vengeance」14年作「Dirges of Elysium」
まずはIncantation。90年代から活動を続けるベテラン。このIncantationの存在自体がリバイバルムーブメントの直接的な要因であると言っても過言ではありません。00年代からリバイバルが活発化した際、アンダーグランド表層面のバンドから地下の地下の地下奥深くのバンドまでIncantationの影響を受けていないバンドはいないと言えます。
10年代に入りリリースされたこのアルバムの凄まじさと言ったら血も涙もないです。でも今聴き返すと意外とキャッチーだなと感じるのは、僕の耳がイカれたせいなのか、時代がおかしくなってしまったのか……

 
 
 
Cynic:08年作「Traced in Air」14年作「Kindly Bent to Free Us」
「Traced in Air」は08年のアルバムですがリバイバルとの因果関係、また多様性の面でも外せません。当時ニューアルバムの報に世界中のデスメタルファンが驚いたと思う。僕もデスメタルの「デ」の字も知らない後輩に前のめりで「Cynicのニューアルバムが15年ぶりに出るよ!」って語ってました。
Sean Reinert & Sean Maloneのリズム隊から繰り広げられる宇宙は正に神秘であり奇跡だったなと。

 
 
 
Gorguts:13年作「Colored Sands」16年作「Pleiades’ Dust」
変態デスメタルと言えばGorguts。復活作でもある「Colored Sands」は2010年代を代表するアルバムナンバー1に選んでも不思議ではない怪作です。これ以降、若手でもGorguts流暗黒劇場をOSDM的手法で再現するバンドが多く(?)出てきましたが、正直これより先、暗黒アヴァンギャルドを探求したいとなればOSDMではなくDeathspell Omega等のブッラクメタルやPortalなどの暗黒テクニカルデスメタルの道を辿ったほうが良いと思う。OSDMという名称は細分化したジャンルにおいてインデックスにはなるが実際一括りするのは無理がある最たる例である。

 
 

Immolation:17年作「Atonement」
これもオールドスクールデスメタルという言葉がImmolationに対して適切かどうかは置いといてImmolationもまた90年代デスメタルの殻を破ったバンドです。鍛錬を重ね現役を貫いている威厳的な重みと現代のあらゆるエクストリームミュージックに通じる重みを備えた、言わば完全体になったと感じる一枚。ジャケも破裂の天使的な終末感が出て良きかな。聴きやすいのでこれからデスメタルを探求しようとしている人にもオススメです。

 
 
 

Paradise Lost:15年作「The Plague Within」17年作「Medusa」
この10年代の二作は心の底から感動しました。Paradise Lostは僕の音楽観を形成したバンドで思い入れも一段とあります。今語らせてもらうと、僕は「Icon」がParadise Lostにとって最初の分岐点だと思っている。もし、メランコリックな「Draconian Times」ではなく「Icon」路線を続けていたならばどうなっていたのか?その答えが20年ぶりに見つかった気分です。一にも二にもゴシック。兎にも角にもゴシック。重厚で荘厳耽美なデスメタルの世界。楽園からの追放。それは厳しい道のりであるが、希望への一歩でもあるのです。

 
 

Carcass:13年作「Surgical Steel」
Carcassが再結成、しばらくしてニューアルバムが出ると聞いたときは期待というより不安感の方が大きかった。なにしろ十何年ぶりですからね。ですがそんな事は杞憂でした。デスメタルなんだけどロック。デス&ロールじゃなくてCarcass&ロールだよ!今年(2020年)はニューアルバムが出るということなのですが、もう何も心配していない。絶対最高のロックを聴かせてくれる!関係ないけどCarcass見るとジーンズを履きたくなる。

 
 

Asphyx:12年作「Deathhammer」16年作「Incoming Death」
初期デス組が10年代に出すアルバムは快作が多い。何か90年代より荒ぶっている感じですがAsphyxもかなりキテました。もう初聴のインパクトね。初期の頃より暴虐デススラッシュぶりが凄まじい。「Incoming Death」はレコードで買ったけど本気で回転数を間違えたかと思って焦りました。もちろん腐敗臭漂うミッドのグルーヴ感も健在。Asphyxはこの二作から聴いても全然OKです。むしろ思い出補正がない方なら今の方がカッコイイと感じるかも。

 
 

Morgoth:15年作「Ungod」
ドイツのデスメタルといったらMorgoth!この再結成は嬉しかったです。ただ再結成時はオリジナルメンバーのVoがいましたけど先行シングル発売後すぐに脱退。あの声無しでMorgothが成り立つのか?成り立つんです!Morgoth節は健在。ミッド中心のグルーヴに疾走パートやドラマチックなメロディを挿入しダレさせない。一つ欲を言うともう少しロウな音だったらどうなってたかな。なんて贅沢な要求か。現在活動停止中。

 
 
 
Cannibal Corpse:14年作「A Skeletal Domain」17年作「Red Before Black」
Cannibal Corpseは変わんねぇ変わらねぇ言われてるし自分も言ってたけどやっぱり変わったよね。暴力的な音楽性は変わらないけどデスメタルファンだけのために武装した過激な表現を削ぎ落し鍛錬を積み重ねた技巧で純粋なブルータルスラッシュを奏でるようになった。カッコよさのベクトルが変わった気がします。自信をもって全メタルファンにオススメできるけど未だ昔のイメージに付きまとわれているのが難点。

 
 
 
Purtenance:15年作「…to Spread the Flame of Ancients」17年作EP「Paradox of Existence」
フィンニッシュデスメタルのレジェンドがまさかの再結成。そして再結成後のアルバムの話は置いといて、この15年作の3rdアルバムは素晴らしかった。92年にリリースされた1stは技量的にも音質的にも劣悪だったためマニア向きのアルバムとなってしまいその後もマニア向けのバンドというイメージが定着してしまいました。しかし、その音楽性を現代へディティールアップした結果、本来の特色が顕著にあらわれることになる。Purtenanceがどんなバンドだったのか、是非聴いてみてください。

 
 

Entombed A.D.:14年作「Back to the Front」19年作「Bowels Of Earth」
キタコレ。これはつまらないアルバムでした!1ミリも内容覚えていないよ!当時Entombedニューアルバムまじか!?からの~分裂騒動。アゲてから落とす。スラミングか何かかな。いやむしろ話題性ならナンバー1だった。別な意味でリバイバルムーブメントに貢献したバンドです。
でも、最新作のPV見るとかなりカッコイイ感じ。(出てたの知らなかったけど) (しかも3rdアルバムかよ)

 
 

   

 
まだまだ、書かなきゃいけないバンドはありますが疲れたのでこの辺でストップ。
ということでベテランバンドの10年代を自分なりに振り返ってみました。ほんとに素晴らしいアルバムばかり。この記事を書きながら聴き返してましたが、現在の感覚で聴くとまた新たな発見などが見つかり感想が溢れてきます。今が全盛期とは言いませんがリアルタイムで追うことで得られるものも確実あります。各バンドがこのムーブメントで一旦仕切り直したと考えるとこれからは前に進むしかありません。次の10年はもっと面白くなると思います。

 
 

リバイバル考察 ~価値観の変動から考える~

時代による価値観は常に移り変わりその時の価値観が良いのか悪いのかは、その時を生きるものにはわからない。自分にとって世間にとって良きことだと思っていても後世の環境で価値観の結果は変わる。それはもう善悪とか関係なく仕方のない事であり、人間には時の因縁、因果を知ることはできない。業に抗う術を持っていないことは歴史が証明している。

 
 
 
Obituary:14年作「Inked In Blood」17年作「Obituary」
2010年代はオールドスクールデスメタル再評価=Obituary再評価の10年であったとも思います。
00年代は一定の人気はあるけれどあまりうだつが上がらない状態だったかと。僕から見て状況が変わったのはレコーディング資金をクラウドファンディングで集めてた時期からです。最初は同情的な気持ちもありましたが蓋を開けてみれば「Inked In Blood」はヒットしバンドの評価は急上昇。日本でもラウドパーク15を挟み17年作「Obituary」リリース後は冗談抜きで今一番人気のあるデスメタルバンドになったのではないでしょうか。日本で最も忌み嫌われた存在だったObituaryがです。

オールドスクールデスメタル・リバイバル

時は00年代を迎えるころ、アンダーグランドではより実験性が重要視されあらゆる表現と価値観が生まれメインストリームへと波及する。ジャンルは細分化されその垣根すら意味のないという風潮も見られるようになる。仮にそれらを多様性というならば多様性が世界の音楽図を変え多くのバンドが迷走しはじめた。時代性が急激に変化したことにより往年のデスメタルは忘却の彼方に追いやられいつしか「オールドスクール」と呼ばれるようになる。一方、その多様性はエクストリームミュージックを大衆化させることにもなった。日本ではラウドロックと呼ばれた新たなメタルがアリーナをSOLD OUTさせる時代が来たのです。ここから時間はかかったけれど新たな時代性は無自覚のうちにデスメタルへの嫌悪感を低減させ先代までの価値観を書き換えたと思われます。そして多様性が定着した時代(世代)が、オールドスクールと言われる音楽と90年代のアンダーグランドの価値観を理解し、新たな価値を見出すのは当然の帰結だったのでないかと思いました。

 
今回はここで終わりです。なんだか最終回みたいなノリになってしまいましたがまだ続く予定です。
それでは次回をお楽しみに。
 
 

New Age of Death Metal Part3

2020年1月24日

 
どうもどうも。アナログです。こんにちは。
さて、引き続き「New Age of Death Metal」と題して2010年代を振り返り「リバイバルムーブメント」を再考する。さらに、次の10年に向けて期待のバンドもピックアップしようというコーナーです。

前回までスウェーデン、フィンランドと紹介したので今回はノルウェーです。
ピックアップするバンドこそ少ないのですが10年代のノルウェーメタルは僕に強烈なインパクトを与えてくれました。

 

3.「スカンディナヴィアの狂気」~ノルウェー・デス/スラッシュ~

ノルウェーといえばブラックメタルなのは誰もが知るところですが、2010年代はブラックメタル以外で良いバンドいる?と問われると考え込んでしまうのではないでしょうか。ということで、今回僕のブログではブラックメタル以外のバンドにスポット当てて2010年代の時流、狂気を感じ続けたノルウェーシーンを振り返りたいと思うのです。まず今回記載するバンドのルーツと呼べるバンドから。


深界一層。まずは Aura Noir 90年代から活動するノルウェージャン・ブラックスラッシュ。知っている人は当たり前の存在だけど知らない人もいると思う。とりあえず今回のスタート地点。引き返すならここでだ。

 
  
続いて時代は一気に飛んで2010年代前後。このあたりから狂気を孕んでくるが、まだ人間性は保っている。左は Obliteration ノルウェー・ブラックスラッシュの流れを受け継ぐデスメタル。中:NekromantheonはObliterationのメンバーが在籍するデススラッシュ。左:DEATHHAMMER スピード感重視のブラックスラッシュ。

 
  
左:もう一回Obliteration 狂気が具現化し始めた。人間性も失いかけてる。
中:激スラッシュメタルInculter。昨年リリースした2ndアルバムもすごく良かったです。
右:Execration 摩訶不思議なアバンギャルドデスメタル。このアルバムは素晴らしかったけどMetal Blade移籍後にリリースしたアルバムはガチガチなメタリックテクニカルデスになってしまいました。ノルウェーらしさが無くなったという意味で残念でした。

 
 
深界六層。
狂気の化身:Sepulcher。発狂寸前の疾走感に度肝を抜かれ、徐々に神経が麻痺していくかのように狂気に快楽を覚える。僕は音楽性はもちろんスタジオの空気感、ジャケの意味不明さも含め歴史的名盤だと思っている。★オススメ!
右は Reptilian。実はSepulcherと同じメンバー、更に言うならば2人はInculterのメンバーでもあるのです。要するにSepulcher=Reptilian≒Inculter。サウンドはSepulcherと似た感じだけど狂気感は薄め。代わりに実験性が強いデスメタルと言う感じ。これまた★オススメ。

ノルウェーデス/スラッシュいかがでしたでしょうか。と上から言えるほど数を聴いていないし、実際ノルウェーのシーンを見てきたわけではありません。時系列も少し前後していますので今回は「この10年で狂気の深みに落ちていくノルウェーメタル」というフィクションで紹介しています。でも、若手デススラッシャーSepulcherの活躍及び成長など次の10年が楽しみな国であることには間違いないです。「ノルウェーだけはガチ」って言われるくらい狂気じみたアヴァンギャルドなバンドが増えて欲しい。インナーサークル時代の狂気とは別な意味でね。

 

■Edged Circle Productions

ノルウェーはフサにあるレーベル。上記のSepulcher, Reptilian, Inculterなど一癖も二癖もあるバンドが多いのでここの音源は必ずチェックしてます。2020年も要注目のレーベルデス。

  

AngelBlast・・・シンフォニックブラックを人力デススラッシュへ変換。お気に入り。★オススメ
Darkened・・・昨年のベストEPにいれました。若手ではないです。メロデス。
Teleport・・・スロベニアのアヴァンギャルドデスメタル。コスミック感もありな2020年期待のバンド。

 
深界極点
最後にデスメタルじゃないけどこのバンドを貼らなくては!

Black Viper!!!! Yes Yes Yes!!!
Obliteration, Deathhammerらのメンバーが在籍するピュアスピードメタル。ある意味狂気ぜよ。

それではまた次回。お楽しみに。

 

New Age of Death Metal Part2
New Age of Death Metal Part1
 
 

New Age of Death Metal Part2

2020年1月17日

 
どうもどうも。アナログです。こんにちは。
前回の続きです。
「New Age of Death Metal」と題して2010年代を振り返り「リバイバルムーブメント」を再考する。さらに、次の10年に向けて期待のバンドもピックアップしようというコーナーです。
前回はスウェデスで終わったので今回はフィンランドだな!

 

2.「異端の系譜」~フィンニッシュデスメタル~

フィンランドといったら駐日大使館がアレなくらいにメタルが盛んな国ですね。そんな国のデスメタルがツマラナイわけがない。とりあえず、振り返る前に90年代初期フィンニッシュデスメタルを少し挙げてみましょう。Demilich, Demigod, Sentenced, Convulse, Purtenance, Rippikoulu, Xysma などなど、聴いてみると個性的なバンドだらけ。今挙げたバンドを今すぐに聴く必要はありませんが、Demilichは聴いていた方がいいかも。Demilichはフィンニッシュデスメタルに限らず今話題のBlood Incantation等リバイバルデスメタルを語るには欠かせないバンドです。
ちなみに僕のフェイバリットフィンデスはDemigod。旧支配者的な存在で外なる神にやられた感がありますけど何言ってるか自分でもわからないので省略しますね。

 

 

■2000年代のフィンニッシュデスメタル

  
SLUGATHOR, Ascended, Stench of Decay。これが00年代を代表するフィンニッシュデスメタルだとは言わないけれど、重要なバンドです。SLUGATHORは良い意味でも悪い意味でも雑だった時代の衝動性を実験性へと昇華させた。抑制の効いたロウサウンドの上に浮遊するメロディ。フィンニッシュデスメタルに限らず昨今の暗黒リバイバルデスメタルに通じるものを持っていたように思えます。Ascended, Stench of Decayも同じくシビレました。両バンドともアルバムは出なかったけどまだ解散はしていないはず。

 

■2010年代フィンニッシュデスメタル

  
左からCorpsessed, Krypts, Desolate Shrine。アナログメタル的10年代フィンニッシュデスメタル三大神。デビュー時のIncantation直系の頃と比べると、各々独自の黒色を放ち系図の分岐点になりうる存在になっている。世の動きとは逆行するかのようにキャッチーな音楽性は排除し、冥府への道を突き進む。正直、彼らのサウンドがアメリカのバンドのようにメインストリームまで波及することは難しいと思う。が、その深淵からの鼓動はこの10年で確実に世界を侵食した。

 
       

Lie in Ruins・・・00年代から活動する隠れた立役者。このアルバムは傑作なので是非聴いて欲しい。
DESECRESY・・・こ、これは?エセクタ!SLUGATHORの生まれ変わりと言っていいと思う。★オススメ
Hooded Menace・・・フィンランドのドゥームデスメタルといったらこのバンド。
Gorephilia・・・ブラスト主体のバイオレンスサウンド。まだ終わらんよ。続行だ!

Maveth・・・Maveth最後の音源。冥鬼の咆哮には感動すら覚える。
AMPUTORY・・・珍しい?暗黒というより圧で迫るデススラッシュサウンド。
God Disease・・・ジワジワと知名度が上がってきたように思える。退廃的耽美ドゥームデス。★オススメ
Asphodelus・・・初期 Katatonia, Anathema, Paradise Lost 等の名に震える方どうぞ。

僕が10年代に記憶に残ったバンドをピックアップしてみました。初期デス復活組やベテラン活動再開組もいましたが、Purtenance以外いまいち記憶に残らずでした。ところで、なんとなくでいいのですが10年代フィンニッシュデスメタルの傾向掴めましたでしょうか。Incantation系といえばそうなのだけど、90年代いわゆるオールドスクール的かと言われればそうでもない。それは10年代フィンニッシュデスメタルがリバイバルという殻を一早く破ったから、否、異端の契りは確実に生き続けている。流行りも廃りもなく、それはらせん状に進化の道を歩んでいるからだと。僕はそう思っています。
 

■Finnish Death Metal : NEXT

続いてはいろいろなところから若手?を調べてきたのでガンガン貼っていきます。

      

   

左上から
Galvanizer・・・次世代を担うバンド候補No1。既に来日も果たしています。
Perinei・・・最近見つけた。これはイイですよ。いろんな可能性が見える!
(Psychoparalysis)・・・括弧込みのバンド名デス。カッコいいじゃん。カッコだけに。
Brainspoon・・・デススラッシュですね。

Torso・・・ロウ感はたっぷりだけど、もう一つ何か欲しいかな。
Decaying・・・ザクザクのリフと哀愁感のコンビネーション!良いですね。
Sepulchral Curse・・・ブラックデススラッシュのようですが一番フィンデス感がある。

Repression・・・上記のAsphodelusのメンバーが在籍するデススラッシュ。期待!
Kasvoton・・・OSDM的ではないけど凄い。何かスゴイ!今年デビューアルバム出るみたい。
Necromonastery・・・上記のTorsoとほぼ同じメンバーのバンド。

みな気持ちよくザックザクに刻んどるやんけー!?
さっきまで「漆黒の盟約」とか「深淵の系譜」とか「赫奕たる異端」とか得意顔で語ってしまったよ。あー恥ずかしい。
これは初期デス回帰というかスラッシュリバイバルの波がフィンデスにも来てると考えるべきか?
でも、これだけで判断するのも良くないので彼らの動向を追っていきたいデス。僕的にはPerineiと (Psychoparalysis)に注目したいです。

 
ということで、今回はここまで。次回をお楽しみに。

New Age of Death Metal Part1